[ソウル 4日 ロイター] - 北朝鮮は4日、金正恩朝鮮労働党総書記の立ち会いの下で3日に極超音速ミサイルの発射実験を行ったと発表した。核抑止力の信頼性を示すことを目的とした訓練だとした。国営朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。
ミサイル発射については、金総書記の妹で朝鮮労働党の金与正総務部長が3日に公表していた。KCNAが4日に発射に関する詳細を明らかにした。
KCNAによると、ミサイルは極超音速戦略兵器システムの一部をなす中距離戦略ミサイルで、東部から発射され、約1000キロ離れた日本海上の目標に命中した。ミサイル部隊を訓練するとともに、抑止戦力の効率性と機動性を評価するのが目的とした。
金総書記は、こうした活動は抑止力行使の一形態だとし、戦略攻撃兵器の「信頼性と致命性」を敵に認識させる努力を続けなければならないと述べた。核戦争抑止力の開発は国家の安全保障に不不可欠で、この方針に変わりはないと改めて表明したという。
日韓の防衛当局は3日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したと発表した。韓国はミサイルの飛行距離を700キロ程度、日本は680キロ程度と分析している。
<日韓のミサイル追跡能力に言及>
金与正氏は3日、韓国と日本がミサイルを追跡できなかったと主張。変則的に飛行する「波状軌道」を採用したことで、両国の追跡能力の限界が露呈したとした。
これに対し、韓国国防省は4日、発射の準備を韓国軍が綿密に監視していたとし、発射直後にミサイルを探知・追跡し、発射地点も正確に特定したと説明した。その上で、北朝鮮が最近発射したミサイルは、韓国と米国のミサイル防衛資産で探知・迎撃できる能力の範囲内にあると評価しているとした。
KCNAは今回、正確な着弾座標を含め、異例なほど詳しい情報を公開した。
韓国統一研究院のホン・ミン上級研究員は、こうした情報公開は、ミサイルが約1000キロ飛行したとの主張を裏付けるとともに、北朝鮮が指摘する、韓国と日本の追跡能力の弱点を浮き彫りにすることが狙いとみている。
ホン氏によると、ミサイルは2022年に初めて発射実験が行われた円錐形の極超音速システムとみられる。北朝鮮が実験段階から実戦配備への移行を示唆している可能性があるという。
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは9月20日以来。今回は、非武装地帯(DMZ)で発生した地雷の爆発を巡って韓国と非難の応酬を続ける中で実施した。
韓国は、北朝鮮の地雷で自国の兵士が重傷を負ったと主張。与正氏は2日、韓国側の非難を「根拠がない」として一蹴し、韓国側の謝罪要求も退けている。