[25日 ロイター] - 米製薬大手メルクと第一三共 は25日、共同開発中の肺がん治療薬「イフィナタマブ・デルクステカン」について、米国での迅速承認申請を取り下げたと発表した。両社のがん治療分野での提携では、2件目の申請取り下げとなる。
この決定は米食品医薬品局(FDA)との協議を経て下された。FDAは同薬の中期臨床試験のデータが早期承認の要件を満たしていないと判断した。迅速承認審査対象は、標準的な化学療法後に病状が悪化した進行期の小細胞肺がんの成人患者だった。
イフィナタマブ・デルクステカンは抗体薬物複合体(ADC)と呼ばれる標的がん治療薬の1種で、「誘導ミサイル」のように機能して正常な細胞を傷つけず、腫瘍細胞のみを狙って死滅させる。
メルクと第一三共が2023年に締結した最大220億ドル規模の提携に基づき共同開発している3つのADCのうち、2つが米国での申請取り下げに直面したことになる。昨年、別の肺がん治療薬候補「パトリツマブ・デルクステカン」について、後期試験で患者の生存期間の延長を示せなかったことを受け、申請を取り下げていた。
両社はイフィナタマブ・デルクステカンの評価を継続する方針。同薬を他の標準的な化学療法と比較する、より大規模な後期試験の患者登録はほぼ完了している。また同薬は進行性前立腺がんおよび食道がんを対象とした別の後期試験でも評価が進められている。