[北京 23日 ロイター] - 中国の謝鋒駐米大使は23日、今週ワシントンで開催される米中首脳会談を前に、台湾や人権などの問題で「レッドライン(越えてはならない一線)」があると警告した。

中国の習近平国家主席はトランプ米大統領との首脳会談のためワシントンを訪問する。両国は、貿易から台湾に至る幅広い問題を巡る対立で緊張する米中関係に、安定をもたらそうとしている。

謝氏は、中国共産党機関紙「人民日報」への寄稿で、意見の相違を管理する上では誠意が鍵になると指摘。米国は中国を封じ込めようと安全保障、経済不均衡、強制労働などの「口実をでっち上げる」ことをやめるべきだと述べた。

また、中国と米国が協力すれば双方に利益があり、対立すれば双方に不利益が及ぶと指摘した。

謝氏は「中国の主権、安全保障、発展の利益は侵害されてはならず、台湾問題、民主主義と人権、発展の道筋と制度、発展の権利という4つのレッドラインに挑むことは許されない」と述べた。

「中国は平和的発展を追求することにコミットしており、米国もこの方向に進むことを期待する」とした。

米国は台湾にとって最も重要な武器供給国であり、国際的な後ろ盾でもある。中国は台湾への武器売却をやめるよう繰り返し要求してきた。

トランプ氏は今年5月に北京で習氏と首脳会談を行った後、約140億ドル相当の新たな武器供与パッケージを保留していると明かし、「非常に良い交渉材料」だと述べた。

台湾の安全保障担当高官は記者団に対し、中国は米国の武器供与の遅延を台湾の軍備増強を減速させる直接的な手段と見なしており、それによって中国が台湾、日本、フィリピンの周辺で圧力を強める余地が生まれると指摘した。

また、中国は米国製品の購入や中東情勢を巡る配慮などさまざまなインセンティブを用いて、地域における米国の軍事的関与を縮小すれば中国からより広範な協力が得られるとトランプ氏を説得する可能性があると述べた。

中国国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は、対立を「意図的に」エスカレートさせているのは台湾側だと非難。「独立を画策することが、台湾海峡の平和と安定を破壊し、現状を損なう元凶だ」と述べた。

23日付の人民日報の別の論評は、米国の中国に対する「誤った」認識と、戦略的競争という考え方を捨てられないことが、両国関係の困難の根本原因だと指摘した。

「近年、中米関係がたどってきた曲折した道のりは、米国の中国に対する誤った認識と、『戦略的競争』という考え方を手放そうとしない姿勢が、繰り返される困難の根本原因であることを明確に示している」と論じた。

その上で、双方が「多大な代償」を払って得られた好ましいモメンタムを大切にし、正しい方向を維持し、干渉を排除すべきだとし、「特に米国側は政策の継続性と安定性を維持し、約束を履行し、2国間関係に確実性をもたらす必要がある」と述べた。

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