Tommy Reggiori Wilkes Elizabeth Howcroft
[ロンドン/パリ 21日 ロイター] - フランス金融大手ソシエテ・ジェネラル(ソジェン)は21日、2029年までの新たな3カ年戦略計画を発表した。主要な業績目標を引き上げるとともに、追加のコスト削減を実施するとした。
ソジェンは高コスト体質と低い収益性が長年、業績の重しとなってきた。23年に就任したスラウォミール・クルパ最高経営責任者(CEO)は体質改善による立て直しを表明。同年9月に発表した3カ年計画は成果を上げ始めている。
クルパ氏はロンドンで投資家向けに新計画を説明し、「コスト削減は従来から、そして今後も当行の戦略の中核であり続ける」と述べた。
新計画では、29年の有形株主資本利益率(ROTE)目標を13─14%とし、今年の約11%から引き上げる。30年以降は15%到達を目指す。現在の水準は同業他社の大半を下回る。
配当と自社株買いを通じた株主還元方針は変更しない。目標を達成した場合、ソジェンは2026─29年の4年間に最大210億ユーロを株主に還元する可能性がある。
<AIでコスト削減を後押し>
29年までに19億ユーロのコスト削減を目指す。調達・情報技術(IT)関連の支出削減、人工知能(AI)による生産性向上、人員削減を通じ、総コストを26年水準から2%減の163億ユーロ(187億ドル)未満に抑える。
29年の経費率を55%未満とし、従来目標の60%からさらなる抑制を目指す。
<プライムブローカレッジとリテールで増収狙う>
最大部門の投資銀行は、米銀が市場シェアを伸ばす中で、ここ数四半期、業績が振るわない状況となっている。
グローバル・マーケッツ部門の29年収入は60億─65億ユーロと予想。これは前年の60億ユーロとあまり変わらない。
クルパ氏は、ヘッジファンド向け業務やプライムブローカレッジ、金融スポンサーへの助言業務で収益を増やす大きな機会があるとの見方を示した。
フランス国内のリテール銀行業ではレボリュートなどのデジタル銀行が事業を拡大している。ソジェンはデジタル銀行「ブルソバンク」について、現在900万人の顧客数を29年までに1400万人に増やす計画。
またブルソバンクとリテール部門を単一の経営体制に統合する。ブルソバンクは顧客のあらゆる資産水準に対応し、支店網を多く抱えるリテール部門は「マス富裕層」に重点を置く。
<金利動向注視>
ソジェンの業績はこの2年間、金利上昇が欧州の銀行全体の利益を押し上げる中で改善した。ただ金利上昇は最終的に銀行の資金調達コストを押し上げる可能性がある。ソジェンをはじめとするフランス金融各社は、世界的な債券売りとフランスの財政持続可能性への懸念を背景に他の先進国市場より速いペースで上昇しているフランス国債利回りの動向を注視している。
クルパ氏は、ソジェンは向こう2─3年にわたりヘッジをかけており、影響は重大なものにならないと述べた。
アナリストは、新たな目標は予想をやや上回り、特にコスト面で強い内容だったと評価した。
ジェフリーズは年平均3%の増収目標は「やや控えめだ」と指摘した上で、「今回の計画の優れた点は、経営陣がコストの推移を明確に把握し、コスト構造に関して非常に個別性の高い施策を打ち出していることだ」と述べた。
JPモルガンのアナリストは、資金調達・助言業務の売上高見通しが従来を上回っていることから、ソジェンの見通しはより強気だと指摘した。