Marcela Ayres Ricardo Brito
[ブラジリア 17日 ロイター] - ブラジルの左派ルラ政権は17日、来月の大統領選を前に、同国の主要な社会福祉制度である低所得者向け支援プログラムの給付額を15%引き上げると発表した。この制度は数千万人の低所得者に適用されている。
また、債務を抱える家計が信用情報機関のブラックリスト登録を解消できるよう支援する新たな取り組みも示唆した。
これらの措置は、ブラジル国民の可処分所得を増やすことを目的としている。ブラジルでは債務返済負担が過去最高水準に達し、家計が圧迫されている。こうした状況は、再選を目指すルラ大統領に逆風となっていると見られている。
世論調査によると、ルラ氏は低所得層の支持を失いつつあり、決選投票になった場合には対抗馬である右派フラビオ・ボルソナロ上院議員と接戦になると見込まれている。ボルソナロ氏は、ジャイル・ボルソナロ前大統領の長男。
大統領官邸でルラ氏とともに会見したモレッティ計画相は、ルラ氏が率いる労働者党による社会政策の柱である「ボルサ・ファミリア」給付プログラムの増額により、政府負担は2026年に58億レアル(11億3000万ドル)、27年には220億レアルに達するとの見通しを示した。
現在600レアルの最低月額給付金は来月から691レアル(134.02ドル)へ引き上げられる。
ドゥリガン財務相は、この措置に伴う追加支出は既存予算配分の範囲内で吸収され、新たな歳出には当たらないと説明。その上で「財政目標と財政実績の改善軌道を維持する」と主張した。
また、同プログラムの関連支出は、27年には調整後で国内総生産(GDP)の約1.25%に相当する見込みだと付け加えた。
給付金の増額は大統領令によって実施される。
政府は、この措置は単にインフレによって失われた購買力を回復するものであるため、選挙法には違反しないと主張している。
一方、ボルソナロ氏はこれが違法だと批判した。同氏は選挙集会で「彼(ルラ氏)はそんなことができないと分かっている。彼は既に敗北したと分かっているので、無謀な行動に打って出た」と語った。
ドゥリガン氏はブラジル紙エクストラが17日掲載したインタビュー記事で、多額の債務を抱える消費者を支援する新しいプログラムを政府が設計中であり、これをルラ氏の選挙運動の目玉政策にする考えを示した。
検討中の案では、政府が債権を大幅な割引価格で買い取り、債務者が延滞債務を清算できるようにする可能性がある。特に、債権者が事実上回収不能として償却した古い債務が対象となる見込みだという。
財務省はロイターに対し、この債務救済策が実際に検討されていることを認めた。ただ、どの種類の債務を対象とするかについては、まだ評価を進めている段階だと説明した。