Olena Harmash
[キーウ 12日 ロイター] - 複数のウクライナ当局者は12日、ロシアによる自国のインフラや主要輸出産業への攻撃が激化し、深刻化する財政危機に追い打ちをかける中、厳しい冬場に備えていると明らかにした。
クラフチェンコ経済相によると、ロシア軍の空爆によるインフラや固定資産への被害額は今年、約100億ドルに達すると推定される。また、攻撃や事実上の港湾封鎖による経済全体への影響は、国内総生産(GDP)の約1.5%分に相当するとみられている。
クラフチェンコ氏は「ロシアの攻撃によって日々破壊されている重要インフラの面でも、国内全体の経済状況の面でも、非常に厳しい冬になると予想している」と述べた。
キーウで開かれた会合で、投資家や政府関係者、外交官らに「こうした事態は予算や財政余力が極めて限られている状況下で起きている」と語った。
ウクライナ戦争が始まってから4年半以上が経過し、前線での戦闘がほぼ膠着状態となる中、ロシアとウクライナは互いの戦争遂行能力を弱体化させるため、物流網やその他の経済資産への攻撃を強化している。
またロシアは、ウクライナ南部への空爆を激化させることで、黒海沿岸の港湾を事実上封鎖している。
クラフチェンコ氏によると、この封鎖により約400億ドルの輸出収入が危機にさらされている。ウクライナの主力輸出品である農産物や鉄鋼製品は黒海の港を経由して輸出されている。
ロシアの攻撃でインフラや産業が損害を受ける中、ウクライナの歳入も圧迫され始めている。
議会予算委員会のロクソラナ・ピドラサ委員長によると、今年最初の8カ月間の歳入は計画を13億5000万ドル下回った。不足分の4分の1は8月だけで発生したという。
ピドラサ氏は、戦争のコストがますます増大しており、過去数年間のように国内資源だけで防衛費を全額賄うことはもはやできなくなっていると指摘した。
ウクライナは今年最初の8カ月間で、現物による軍事支援を除き約420億ドルを防衛費として支出した。しかし、この期間の国内歳入と国内借り入れによる資金調達額は390億ドルにとどまったとピドラサ氏は説明した。
同氏は会合で「残念ながら今年は戦争のコストがあまりにも高くなり、自国負担分の費用さえ賄えなくなっている」と述べた。
さらに、インフレの高進や兵員数の増加、戦没兵士の家族への社会保障給付の拡大、弾薬消費量の増加を背景に、戦争の1日当たりの費用は2024年の約1億4000万ドルから今年は約1億9000万ドルへ増加したと付け加えた。
ウクライナは年末までの防衛費について新たな資金不足に直面している。政府は軍事以外の予算支出を削減または先送りする方法を模索するとともに、西側諸国との間で追加の財政支援について協議を進めているが、現時点では明確で迅速な解決策は見つかっていない。