Deborah Mary Sophia

[11日 ロイター] - 米オラクルは11日に規制当局へ提出した届け出書で、2027会計年度(26年6月―27年5月)の人員削減などの事業再編費用が約28億ドルとなり、従来計画より約7億ドル増えると発表した。同社は人工知能(AI)向けサービスの需要急増に対応するために数十億ドルを投 資する計画で、これに対応するためにコスト削減を図る。

事業再編計画に盛り込まれた費用には従業員の退職金と契約解除、事業撤退費用が含まれており、一部機能へのAI導入が影響している。

オラクルが10日発表した第1・四半期決算(26年6―8月期)で受注残高が260億ドル増の6640億ドルになったことが好感され、同社の株価は前日比で一時7.8%上昇した。しかしアナリストらがキャッシュフロー(CF)の回復にはまだ時間がかかると指摘したことで株価は反落し、約2%下落して取引を終えた。

オラクルは受注残高のうち約半分は3年以内に売上高として計上される見込みで、新規契約による売り上げの多くは自社資本を必要としないと説明している。これは生産能力の拡充に顧客からの前払い金や、顧客自身からの半導体供給に依存しているのが理由だ。

オラクルを巡っては巨額のAI向け投資や、AI時代の到来で同社の従来型ソフトウエア事業の可能性が投資家らに疑問視されており、今年に入ってからの株価は11日の終値時点で約23%下落している。S&P総合500種指数 は今年これまでに12%近く上がった。

モーニングスターのアナリスト、ルーク・ヤン氏は「オラクルがCFの圧力を緩和するために顧客に技術向けハードウエア費用の一部負担を求めているものの、オラクルのCFを巡る状況が近い将来変化するとは予想していない」とし、「(クラウド)収入が継続的な容量拡大を支えつつ、同時にプラスのCFを生み出すには数年を要するだろう」との見方を示した。

部品コストが急騰し、米国でデータセンターの開発に対する反発が高まる中で、オラクルは資金調達やデータセンターの収益性を巡ってリスクを抱えている。

同社は第1・四半期に完了した200億ドルの株式売却を含め、27会計年度中に借り入れおよび新株発行(増資)を通じて400億ドルを調達すると発表している。

一方、現金消費(キャッシュバーン)はアナリストらの市場予想を下回った。オラクルは10日にフリーキャッシュフローが54億ドルのマイナスだったと公表し、マイナス額はLSEGがまとめた市場予想平均の95億6000万ドルより小さかった。

エバーコアのアナリストらは「今回の業績は、増収の加速を実現させる企業を巡る投資家間の議論のバランスを取る上で、確かな前進となった」とし、オラクルの債務負担は「正当な懸念材料ではあるが、事業のプラス面が混迷の中で見落とされている」と指摘した。

オラクルの株価は将来予想利益の16.86倍で取引されており、マイクロソフトの23.84倍や、アマゾン・ドット・コムの22.58倍と比べて割安となっている。

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