[ブリュッセル 13日 ロイター] - カナダのカーニー首相は13日、自身が欧州連合(EU)との関係緊密化を望んでおり、EUの「準加盟国」となる可能性を模索しているとする米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)報道を受け、カナダはEUとの「独自の同盟」を模索しており、加盟を目指すものではないと述べた。

同首相は「われわれはEUへの加盟を目指しているわけではない」と説明。トロント国際映画祭の場で記者団に「われわれが目指しているのは――そして協議を開始しようとしているのは――カナダとEUとの独自の同盟だ」とし、「われわれは同じ価値観を共有し、同じ優先事項を持ち、互いの強みが非常に補完し合っている」と語った。

一方、カナダ紙グローブ・アンド・メールは、この「準加盟国」という呼称を提起したのはカーニー氏ではなくEU側だと報道。匿名の関係筋の話として、この関係の呼称に関するいかなる議論も時期尚早と伝えている。

欧州委員会の報道官はコメント要請に応じなかった。

トランプ米政権との貿易戦争が激化する中で、カナダは米国以外の貿易相手を構築する戦略的転換が急務となっている。トランプ政権はカナダからの輸入品に対し、数百億ドル規模の関税を課してきた。

WSJによると、カナダとEUはエネルギー、人工知能(AI)、防衛、重要鉱物などの戦略的サプライチェーン(供給網)に関わるカナダのモノとサービス、労働者が自由に移動できる方策を協議している。さらに海底ケーブルの敷設、データセンターやクラウドストレージ、新たな衛星ネットワークの共同建設、カナダのエネルギーをEUへ輸送するためのインフラ整備についても協議している。

WSJは事情に詳しい2人の当局者の話として、カーニー氏はカナダ人がビザ(査証)を取得せずにEUで居住、就労できるようにする可能性について、フランスのマクロン大統領ら複数のEU首脳と定期的に協議していることも報じた。

フランスの大統領報道官室はコメントの要請に応じなかった一方、カナダ沖の大西洋に浮かぶフランス領サンピエール島・ミクロン島で、マクロン氏がカーニー氏と今月20日に会談することを認めた。この会談はカナダの首相によるサンピエール島・ミクロン島への初の公式訪問になるとし、「両国関係の強さを象徴する」とコメントした。

ただ、より小規模な貿易協定の締結を目指した動きがかつてEU内で激しい反対に直面したことを踏まえると、カナダとEUの関係緊密化も難航する公算が大きい。

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