Aditya Kalra

[ニューデリー 10日 ロイター] - インド政府は10日、食品包装前面に健康上の「赤色警告ラベル」を表示する制度について、従来提案していた段階的導入ではなく、より厳格な形で一括導入する可能性を示した。実現すれば、約1000億ドル規模とされる同国の食品・飲料業界に大きな影響を与える可能性がある。

政府側は、最高裁判所での審理でこうした考えを説明した。最高裁は、肥満率の上昇が問題となる世界最大の人口を抱えるインドで、厳しい食品表示制度の導入を求める健康団体の訴えを審理しており、食品安全基準庁(FSSAI)の対応の遅れを繰り返し批判してきた。

FSSAIは先月、まず添加糖分、塩分、飽和脂肪の3項目のうち2項目以上で基準値を超えた商品に赤色の六角形警告ラベルを表示し、その後表示対象を1項目の基準値超え食品にも広げる規則を導入すると提案していた。

しかし健康専門家らは、この方式について「業界寄りの抜け穴だ」と反発。多くの商品が規制対象から外れ、公衆衛生上の効果が薄れると批判していた。

このため最高裁は政府側に対し、なぜ2段階方式を採用するのか疑問を呈した上で、糖分や塩分などの2項目以上で基準を超過しなければ表示を義務付けないのかと改めて質問。これに対して政府側代理人は、裁判所の意向を踏まえて「両段階を一度に導入することも可能だ」と述べた。

ロイターは先月、インド政府がコカ・コーラやネスレ、ペプシコを支援する業界団体の働きかけを受け、より緩やかな表示制度を選択したと報じていた。業界側は、警告表示の有効性に疑問を表明しているものの、多くの企業は欧州市場で同様の表示制度を自主的に導入している。

インドの食品・飲料市場にはネスレ、ユニリーバ、モンデリーズ、マースなどの海外大手に加え、ITCやダブールなど国内大手も参入。さらに数千の中小事業者が菓子や軽食を販売しており、規制強化の影響は広範囲に及ぶ可能性がある。

こうした中で業界団体の全インド食品加工業者協会は、警告表示制度の見直しを要求しており「多くの主食に警告表示が付されることで、インド食品の国際的な評価が損なわれる恐れがある」と主張している。

同協会の代理人は審理で食品包装を示しながら「ピクルスを100グラム食べる人はいない」と述べ、表示基準は製品100グラム当たりではなく、1食分当たりで判断すべきだと訴えた。

米国では1食分当たりの表示制度が提案されており、インドの業界側も支持している。ただ多くの国で採用されているのは100グラム当たりの基準だ。

医学誌「ランセット」に掲載された最近の研究によると、インドでは2050年までに約4億5000万人が肥満または過体重になる可能性がある。

最高裁は「特に成長期の子どもたちを含む国民の健康を重視している。この問題を極めて深刻に受け止めており、国益にかなう取り組みとして関係者全員の協力を期待する」と述べた。

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