Nate Raymond

[ボストン 10日 ロイター] - 米東部マサチューセッツ州ボストンの連邦控訴裁判所(高裁)は10日、11月の中間選挙を前に郵便投票の要件を厳格化する米郵政公社(USPS)の新規則について、トランプ政権が求めていた規則執行の差し止め解除を認めない判断を示した。同規則を巡っては、連邦最高裁判所でも同様の申し立てが審理されている。

高裁の3人の裁判官は、下級審が先週出した差し止め命令について政権側からの緊急解除要請を退けた。これによりUSPSは新規則を執行できない状態が続く。

規則の最終的な扱いは連邦最高裁が近く判断する見通し。政権側は異例の対応として、高裁の判断を待たず、6日に最高裁へ差し止め解除を求めていた。

新規則の執行差し止めを申し立てたのは野党民主党主導の州や投票権擁護団体で、4日にボストンの連邦地裁のインディラ・タルワニ判事が4日、差し止めの仮処分命令を出した。

司法省は控訴審で、原告側の主張は「USPSが連邦選挙の運営権限を掌握しようとしている」との根拠のない前提に基づいていると反論。新規則は郵便に関する「限定的な」規制に過ぎないと主張した。

しかしいずれもバイデン前大統領に指名された3人の高裁裁判官は、政権側の主張について「森を見ずに、木だけを見ている」と指摘した上で、米憲法上は選挙を規制する権限は州と連邦議会にあり、行政府にはないとの見解を示した。

さらに新規則の施行は「有権者不正対策による利益がほとんど、あるいは全く見込めない一方で、全米で数百万人の有権者の投票権を奪う可能性が高い」としたタルワニ判事の判断に誤りは見当たらないと結論付けた。

訴訟を主導したカリフォルニア州のボンタ司法長官は声明で「高裁はトランプ政権による郵便投票妨害の新たな試みを退けた」と歓迎した。

USPSとホワイトハウスはコメント要請に解答しなかった。

USPSは、トランプ大統領が3月に署名した大統領令を実施するため今回の規則を策定。トランプ氏は長年にわたり郵便投票の規制強化を主張しており、2020年大統領選でバイデン氏に敗れたのは大規模な選挙不正が原因だとの誤った主張を繰り返してきた。

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