Casey Hall
[上海 10日 ロイター] - 中国に進出する米企業の間で、事業の先行きを楽観する見方が広がっていることが、10日公表の調査で分かった。昨年は政治的な緊張や中国国内での激しい競争、経済成長の鈍化を背景に、先行きへの期待が過去最低に落ち込んでいた。
中国・上海市に進出する米国企業で組織する上海米国商会の年次調査によると、今後5年間の事業見通しを楽観していると答えた企業は58%と、前年から17%ポイント上昇した。4年にわたり歴史的な低水準にとどまっていた状況から脱した。
昨年終盤の貿易休戦を受けて米国と中国が関係の安定化を模索する中、米企業が自信を取り戻しつつあることが示された。企業は中国の習近平国家主席が今月予定する訪米を前に、関係改善のさらなる兆しにも期待を寄せている。
上海米国商会のジェフリー・リーマン会長は「会員企業の間で雰囲気が変わった」と述べた。昨年の調査が貿易戦争の再燃の真っただ中で実施されたのに対し、今年の調査は、習氏とトランプ米大統領が5月に北京で会談し、成功を収めた後に行われたと指摘した。
「両首脳が公平性と相互主義に基づき、戦略的に安定した建設的な関係の構築に取り組むことで合意したことは、全ての会員企業に大きな安心感を与えた。それが今回の調査で多くの前向きな結果につながったのだと思う」と分析した。
楽観的な見方が戻った背景には、業績の改善もあったとみられる。上海米国商会の年次報告書「中国ビジネスレポート」の調査に回答した262社のうち、昨年の中国事業が黒字だったと答えた企業は約78%と、2019年以来の高水準となった。
最大の懸念事項は、米中間の緊張に代わり中国国内での競争となった。回答企業の68%が事業上の最大の課題に挙げた。
中国の規制環境が透明だとみる企業の割合は7ポイント上昇し、55%となった。一方、規制環境が今後さらに開放的になると予想する企業は39%と、2ポイント低下した。
25年に対中投資を増やした企業は28%と、過去4年間で最も高い割合となった。26年に投資を増やす計画だと答えた企業は31%で、減らすと予想する企業は14%にとどまった。