Tetsushi Kajimoto

[東京 10日 ロイター] - 9月のロイター企業調査で政府に求める円安への対応を聞いたところ、「財政健全化」が最多で、日銀の利上げや通貨当局の為替介入を上回った。望ましい為替の水準は1ドル=150円台との回答が全体の3割で最も多かった。

調査は8月26日から9月4日に実施。発送企業は510社で、224社が回答した。

足元の為替は1ドル=150円台前半まで円高が進んでいるものの、7月末に日米が協調介入してからの1カ月間は平均160円弱だった。この水準が事業に与える影響は、「プラス」が21%、「マイナス」が24%でおおよそ拮抗した。「どちらともいえない」が54%と最多だった。

プラスと答えた割合が多かった業界は金属・機械や電機。マイナスが多かったのは食品や卸・小売だった。自動車を含む輸送用機器はプラスとの回答が0%、マイナスが43%だった。

プラスと回答した企業からは「米ドルの売り影響が大きい」(金属・機械)、「長期的に見れば過去に比べて円安水準であり、輸出型産業である当社にとっては有利」(電機)などの声が聞かれた。マイナスと回答した企業からは「原材料価格の高止まり」(輸送機器)、「原料を輸入に頼っており、原価が上昇し損益にマイナスの影響が大きい」といった声が出ていた。

「メリットとして海外事業収益の押上要因にはなるが、デメリットとして原材料やエネルギーコストの影響も大きく、総合的に見ると中立的である」(ゴム)、「円安でインバウンド需要の増加はある程度見込めるが、それ以上に燃油などドル建て費用の増加によるマイナス影響が大きい」など、プラス、マイナス両面に言及する企業も多かった。

マイナスと答えた企業が政府に求める対応は、「財政健全化」が52%でトップ、「財政による物価高対策」が44%と続いた。「日銀の利上げ加速」は34%、「政府による追加為替介入」は26%だった。

水準よりも安定を求める声が複数聞かれた。「政治の為替介入によって、短期で大きな変動をさせる施策は望ましくない」(電機)、「円安はメリットあるが、仕入先、得意先を含むビジネス全体への影響は良く分からない。為替は安定した方が良い」(卸売)、「円安、円高ともに急激な変動は業績へマイナスに影響するため安定した推移を望む」(機械)などの意見があった。

事業にとって望ましい水準は「150円台」が31%で最も多く、前回7月調査で最多の28%だった140円台より円安方向へシフトした。次いで「140円台」が25%、「130円台」が11%だった。「160円以上」の水準を望むのは6%だった。

(梶本哲史 グラフィックス作成:照井裕子 編集:久保信博)

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。