遠隔操作
2026年には、ヒューマノイドの開発は軍事研究機関の枠を超え、中国の防衛産業にも広がった。
その一例が、中国国営防衛大手の中国北方工業(ノリンコ)が製造している軍事・特殊用途向け人型ロボット「伏羲(フーシー)」だ。8月に公表された同社の資料によると、このロボットは等身大で、歩哨(ほしょう)任務、全天候型偵察、自律巡回、危険な任務への対応が可能だという。
同社によると、フーシーはノリンコの遠隔操作システムとの連携が可能で、人間のオペレーターが遠隔から操作できる。ロボットが全ての判断を自律的に下す必要がなくなることで、多くのロボット専門家が人型ロボット開発における最大の課題と指摘する問題に対処できる可能性がある。
ノリンコはコメントの要請に回答しなかった。
オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)の上級アナリスト、マルコム・デービス氏は、現時点では人型ロボットを実戦で運用するのは現実的ではないと指摘しつつ、「しかし5ー10年後には十分に実用化されている可能性がある」と話した。
たとえ現在は遠隔操作されているとしても、自律運用を想定して設計されたヒューマノイドシステムは、最終的には倫理的なジレンマに直面する。戦時国際法は、戦闘員と民間人を区別し、負傷者や降伏した兵士を攻撃しないよう軍に求めている。
赤十字国際委員会(ICRC)は自律型兵器について、降伏の意思表示を確実に判断することが難しい可能性があると警告している。こうした判断は状況や行動、意図に左右され得るからだ。
米軍は自律型兵器について、法的審査と実戦的な試験を義務付けるとともに、武力行使については指揮官と運用担当者が適切な判断を下す必要があるとしている。中国国防省も3月、AI搭載兵器は人間の管理下に置くべきだとの見解を示した。
こうした懸念にもかかわらず、中国は人型ロボットの軍事利用の模索を続けている。
軍事科学院の王永華研究員は11月の論考で、人型ロボットには運動能力、認識能力、知能の面でなお解決されていない問題があるとの見方を示した。軍事システムとして広く普及するには技術的な突破口に加え、製造コストの低下と産業規模での量産が必要になると指摘した上で、こうした条件が整えば、「人型ロボットは戦場に続々と投入されることになる」と論じた。

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