Vladyslav Smilianets Anna Pruchnicka
[キーウ 8日 ロイター] - ウクライナの首都キーウに8日、ロシアのドローン(無人機)とミサイルによる攻撃があり、5人が死亡した。米国の和平交渉担当者が同市を離れて間もなく、空爆を再開した。
当局やキーウ市長によると、攻撃でキーウ市内の複数の地区で火災が発生し、少なくとも高層ビル14棟のほか、寮、学校、診療所、倉庫などが損傷し、約30人が負傷した。ゼレンスキー大統領によると、ドローン攻撃によってキーウのテレビ局の建物の一部が破壊された。
両国は米和平交渉担当者の訪問中、3日間にわたり互いの首都への攻撃を停止していた。
ウクライナのシビハ外相は同盟国に対し、ロシアへの圧力を強めるとともにバリスティックミサイル迎撃のための装置提供を求めた。ゼレンスキー氏は今回の攻撃について「可能な限り多くの人命に危害を加える」ことを狙った攻撃と非難、バリスティックミサイルの迎撃は依然「困難」と述べた。
ウクライナ空軍は、ほぼすべての巡航ミサイルとバリスティックミサイル2発を撃墜したとしている。
また、ロシア国防省によると、軍はキーウとその周辺地域、および黒海沿岸の港湾都市チョルノモルスクにある軍事・兵たん拠点を攻撃したという。ロシアの通信社が伝えた。
ウクライナのコレツキー首相によると、キーウ以外の8地域が標的になり、 北部スムイ州ではドローンが列車を攻撃し約100人が避難した。
同州では別の通勤列車も攻撃を受けた。乗客は避難したが一部が負傷したという。
南部の都市ザポリージャでは、旅客列車へのドローン攻撃で鉄道職員1人が死亡した。乗客は全員避難したという。
黒海沿岸の港湾都市オデーサ郊外の市場への攻撃では3人が負傷した。
ロシアは米国のウィットコフ特使とトランプ米大統領の娘婿クシュナー氏がウクライナのゼレンスキー大統領との会談を終えて帰国した後に攻撃を再開した。両特使はモスクワでの協議を経てキーウ入りしていた。ロシア大統領府は協議後、米ロ・ウクライナの三者協議再開の可能性を排除しないとの見解を示していた。
ウクライナのシビハ外相はXで「米大統領の和平特使が去った瞬間、プーチン(ロシア大統領)はキーウに対し、またも大規模で恐ろしい攻撃を仕掛けた」と非難した。 ロシアはこの数日、キーウや周辺地域への空爆をほぼ24時間態勢で強化している。
隣国で北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)の加盟国であるポーランドでは、領空侵犯のリスクに備えて自国の空域を守るため軍用機の運用を開始したと、軍がXで明らかにした。
一方、ロシアではモスクワの南東約730キロに位置するボルガ川沿いの都市サラトフで、ウクライナのドローンによって民間インフラが損傷し、負傷者が出た。同州知事が明らかにした。この地域には、国営石油会社ロスネフチが運営する大規模な製油所のほか、他の産業・軍事施設が多数ある。