大統領も怒り心頭

背景には、ナイジェリアで深刻化している身代金目的の誘拐がある。ナイジェリアの治安調査会社のSBMインテリジェンスによると、2025年7月から2026年6月までの1年間に国内で前年同期比66%増の7825人が誘拐された。関連する事件では少なくとも1142人が死亡し、身代金の支払額は確認されているだけでも約580万ドル相当に上った。

特にナイジェリアの北西部と中北部では、武装集団による村落や学校、道路利用者などを狙った集団拉致が繰り返されている。今回のボルグ襲撃も、こうした治安悪化が続く中で発生した事件といえる。

『ボイス・オブ・ナイジェリア』など複数の現地メディアによると、ナイジェリアのティヌブ大統領はニジェール州で犯罪者によって罪のない市民が誘拐され殺害されたことを非難し、国軍、ナイジェリア警察、国家保安局、その他の治安・情報機関に対し、誘拐された被害者の救出に向けて連携して活動するよう指示した。また、軍・治安機関の責任者に対し、すべての拉致被害者の安否が確認されるまで定期的に報告するよう求めた。

そして、攻撃の責任者は処罰を免れることはないと宣言し、犯人を平和と人類の敵と呼び、必ず裁きを受けさせると断言したという。

「無防備なナイジェリア国民に対するこの卑劣な攻撃を実行した者たちは、平和の敵であり、人類の敵だ。彼らが処罰を免れることはない」

また、警察も救出作戦を強化し、オラトゥンジ・ディス警察長官は29日にニジェール州を訪問した。現地メディアによると8月30日、ディス長官が情報収集や治安機関間の連携を強化し、救出作戦が進展していると説明した。

事件には宗教界や政界からも批判が相次いだ。現地メディアによると、ナイジェリア・イスラム問題最高評議会は26日、ボルグの4集落への襲撃を非難し、殺害・負傷・拉致された住民の中に金曜礼拝中のイスラム教徒が含まれているとして救出を求めた。

一方、ナイジェリア・キリスト教協会ニジェール州支部も8月30日、モスクと教会の双方について、金曜礼拝や日曜礼拝の時間帯に警備を強化するよう治安当局に要求した。北部選出の上院議員で構成する北部上院議員フォーラムも、拉致被害者の即時救出と中北部の治安体制の見直しを政府に求めているという。

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