人工衛星の数が増え、宇宙から生み出されるデータ量が拡大するなか、その情報をどう高速かつ安定的にやり取りするかが課題になっている。
リトアニア発のスタートアップAstrolightは、宇宙・防衛向けのレーザー通信を開発する。衛星と地上をつなぐ通信端末「ATLAS」や、船舶向けの「POLARIS」などを手がけ、宇宙、地上、海上を光通信で結ぶ構想を描いている。
同社はNATOのイノベーションプログラム「DIANA」に参加し、リトアニア海軍との実証にも取り組んできた。ウクライナ戦争では衛星通信へのサイバー攻撃やGPS妨害などが確認され、通信手段を複数持つことの重要性も改めて意識されている。
レーザー通信は宇宙産業をどう変えるのか。SpaceXが市場に与えた影響をどう見ているのか、イーロン・マスクやジェフ・ベゾスらテックビリオネアの存在感をどう捉えているのか。欧州の宇宙・防衛産業の行方、そして日本との連携の可能性についても聞いた。
Astrolightの共同創業者兼CEO、ラウリナス・マチュリス氏に聞いた。
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──まず、Astrolightは宇宙通信のどのような課題を解決しようとしている会社なのでしょうか。宇宙産業に詳しくない読者にも分かるように、レーザー通信の可能性を教えてください。
私たちが解決しようとしているのは、データ通信のボトルネックです。
これは、かつて地上のインターネットが抱えていた問題とよく似ています。インターネットが拡大していくなかで、無線周波数による通信だけでは十分な帯域を確保できないことが分かり、そこで光ファイバーが導入されました。
私たちは、宇宙でそれと同じことをしようとしています。宇宙のインフラと地球を高速のレーザー通信でつなぐ。それが私たちのビジョンです。
これによって、これまで想像されていなかったような可能性が生まれると考えています。インターネットが世界を変えたのと同じです。今ではインターネットのない世界など想像できませんよね。
宇宙インフラが世界経済の一つの独立したセグメントとして発展していくためには、手頃な価格で利用できる高速通信が不可欠です。地上にそれをもたらしたのが光ファイバーであり、宇宙インフラに同じような変化をもたらす可能性があるのが自由空間光通信(FSO)です。
例えば、宇宙空間のデータセンターや大規模な衛星コンステレーションが本格的に発展していくうえでも、こうした技術は重要になると考えています。
私たちは宇宙空間を一つのネットワークとして結び、さらにそのネットワークをレーザーで地上につなごうとしています。