Gopal Sharma Saurabh Sharma

[カトマンズ 4日 ロイター] - ネパールと中国チベット自治区の国境付近で起きた大規模な土石流と洪水で、ネパール側では4日、被災した水力発電所のトンネルから2人が救助された。メッセージアプリ「ワッツアップ」でつながった捜索の前線と後方の専門家の連携が奏功した。

今回の災害で、ネパール側では少なくとも1252人が死亡。4200人以上が依然として行方不明となっている。

中国政府は、チベット自治区での死者数を21人、行方不明者を541人としている。

8月26日にトリシュリ川上流で発生した氷河の崩壊により、同川沿いの6つの水力発電所のトンネルに推定900人余りが閉じ込められ、隣国インドや中国など海外の支援も受けて捜索・救助活動が行われている。

作業員が救出されたのは、アッパー・トリシュリ3A水力発電所のトンネル。ビラジ・バクタ・シュレスタ・エネルギー相の事務所が発表した声明によると、機械工事担当職長のサンジェイ・サハ氏と機械監督のカビール・マハルジャン氏の2人。

ネパール当局が公開した映像と写真には、マハルジャン氏が地面の穴から引き上げられ、周囲の見物人が歓声を上げる中、担架に乗せられる様子が映っていた。サハ氏は、顔を泥まみれにした状態で作業員の背中に担がれて救護テントに運ばれた。

マハルジャン氏は手足を動かせない状態だが、サハ氏の負傷は重篤ではないと、エネルギー相の側近はロイターに語った。

ネパール英字紙カトマンズ・ポストによると、サハ氏は救助隊に対し、トンネル内にさらに3人から4人が生存している可能性があり、奥深くにはさらに多くの人がいるかもしれないと話したという。

<ワッツアップで捜索支援>

トンネルの捜索・救助活動には、インドや中国などの専門家も参加して行われている。今回の活動は、捜索を行う「前線部隊」と、専門家や当局者らの「後方部隊」が、メッセージアプリ「ワッツアップ」でつながり、後方から逐次アドバイスを送る態勢を取っている。

ワッツアップのグループチャットは、災害発生前にエンジニアらが立ち上げた。今回の災害を受け、専門家などが参加しメンバーは500人以上となった。生存者の捜索活動においてヘリコプターや重機と並ぶ貴重なツールとなっている。

「チリメの見取り図を送ってもらえますか」。8月29日、被災したチリメ水力発電所で捜索が行われる中、グループチャットに当局者がこう書き込んだ。数分後、発電所の発電棟の見取り図とトンネルの詳細が送信された。電力庁の幹部は、投稿された図面は有用だったと話した。

グループチャットでは、行方不明の作業員の名前と携帯電話番号を共有し、最後に記録された位置情報を特定するため、政府関係者に対して電気通信当局に情報を伝えるよう求めている。救助隊は、元従業員にもトンネル網について助言を求めているという。

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