[上海 3日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバル・レーティングスのアジア太平洋地域責任者、クリストファー・リー氏は3日、中国が外国の発行体による起債を誘致する中、甘過ぎる格付けが国内にリスクを呼び込んでいると警鐘を鳴らした。上海で開催された金融市場フォーラムでの発言。
リー氏は「格付けの上層に多くの発行体が集中し過ぎている」と指摘。国際市場では「B」格付けを得ている外国発行体が、パンダ債(中国本土市場で非居住者が発行する人民元建て債券)を発行する際には「AAA」格付けを得るとすれば「リスクが国内市場に招き入れられている」ことになると述べた上で「この問題はいずれ何らかの形で表面化するだろう」との懸念を示した。
最新の公式データでは、中国における債券発行体6500超のうち、90%近くが「AA」ないしそれ以上の格付けを付与されている。中国の財通証券によると、米国ではこの割合がわずか4.4%だ。
中国当局は現在、格付けの質向上に向けた新たな取り組みに着手している。関係筋らによると、中国人民銀行(中央銀行)は4月以降、格付け会社と非公開会議を重ねて「AAA」格付けへの集中を減らすよう促し、その後格付け引き下げや撤回が相次いだ。
リー氏は、中国当局は「正しい方向に動いている」と述べるとともに、中国が債券市場の対外開放を進める中で、信用リスクを区別できる格付け体系が必要との認識を示した。