[ベイルート 3日 ロイター] - シリア政府は、5月に回収したアサド前政権時代に進められた化学兵器開発の関連物質の廃棄作業を始めた。シリアのオラビ国連大使は3日、今回のような廃棄作業は約10年ぶりになると説明した。
ロイターは5月、アサド前政権による内戦中の致命的なガス攻撃で使われた原材料や弾薬などの残骸を発見したと報じていた。
国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長は3日、安全保障理事会でのブリーフィングで、化学兵器禁止機関(OPCW)が2014年以来となるシリアでの化学兵器の廃棄についての検証作業を実施したと説明。5月の検証結果を受けて、シリアが「さらに1カ所の化学兵器製造施設、神経剤の製造に使用される化学物質、および空の化学兵器弾薬を発見した。また2カ所の化学兵器貯蔵施設があることも申告し、そこに化学兵器製造施設があることが判明した」と語った。
OPCWは8月、シリアが保有している「カテゴリー3」に分類される化学兵器の廃棄について検証するため、同国に調査団を派遣した。中満氏は調査団が「42発の航空爆弾の不可逆的な破壊」を確認したことを明らかにした。
オラビ氏は安保理で、シリアが「こうした活動を通じて、世界とこの地域を守っている」と訴えた。一方イスラエルによる攻撃が化学兵器関連物質の捜索や廃棄を妨げているとして「わが国の安全がイスラエルによる攻撃にさらされている状況では、地域の安全を守ることなどできない。イスラエルは地域全体の安全を軽視し、私たちが議論してきた条約や協定に違反している」と非難した。
イスラエル軍はコメント要請に直ちには応じなかった。
オラビ氏は、アサド前政権時代に化学兵器開発に関与したことが疑われる人物を裁くための公判の準備を進めていることも表明した。
シリア当局は今年、アサド前政権による化学兵器開発への関与が疑われるとして軍と政界、技術分野の高官ら計18人を拘束していた。