東京大学の大学院生と青山学院大学の研究者の調査によると、日本人の外向性は低下傾向にあるという。外向性を測定した先行研究(過去12年間)を調査した結果で、日本人のパーソナリティー、およびその変化をデータで明らかにしたものとして注目される。
外向性とは、自身のエネルギーを外に向ける傾向のことで、社交性や活発性などを心理テストで測ったものだが、マクロな統計でも可視化することができる。極限の危機状況に置かれた際、それを打開するエネルギーを外に向けるか、内に向けるか。具体的には、他人の財産を強奪しても生き延びるか、それとも自分自身を殺めるか。
前者は強盗事件、後者は自殺者の数で把握できるだろう。2022年の日本のデータだと、警察が認知した強盗事件は1148件、自殺者は2万1263人で、後者のほうがはるかに多い。しかし諸外国では違う。

<表1>は、日本を含む主要7カ国のデータだ。韓国は日本と同じく「強盗<自殺」だが、他の5カ国は逆となっている。強盗が自殺よりもはるかに多い。アジア2カ国と欧米5カ国の間の断層が明瞭だ。
韓国では、生活苦のためか高齢者の自殺率がきわめて高い。欧米でも高齢化が進んでおり、高齢者の生活は苦しくなっているが、積極的に福祉を利用したり、状況の改善を国に訴え出たりする。フランスでは、年金支給年齢の引き上げなどをしたら暴動が起きる。他人に危害を加える犯罪と、自身を殺める自殺。この2つの統計量を対比することで、国民の内向性が垣間見られる。
表の右端には、内向度という指標を掲げている。強盗と自殺の合算のうち自殺が何%かで、字のごとく「内向」の度合いを数値化したものだ。飛躍を承知で言うと、日本では危機状況の9割以上が自分を殺めること(自殺)で処理されている、ともみなせる。この内向度は、欧米と比較して段違いに高い。