
データをとれる53カ国の内向度を同じやり方で計算し、高い順に並べたランキングにすると<表2>のようになる。マクロ統計を使った試算値だが、日本人の内向度は韓国に次いで2番目に高い。3番目のシンガポールも90%を超えていて、アジアの3カ国の特異性が際立っている。
このように内向度が極めて高い国がある一方で、その真逆の国もある。右下を見ると内向度が5%にも満たない国がある。いずれも中南米の諸国だ。裏返すと外向率が95%超ということで、危機状況への対処の仕方が日本人とは正反対であることがうかがえる。南欧のスペインの内向率も6.3%と低いのだが、この国では失業率と自殺率の間に相関関係がない(「『不要不急の仕事』の発想がない日本は、危機に対して脆弱な社会」2020年4月8日、本サイト)。失職して生活に困窮しても、自殺に傾くことはない。
時代変化という観点を据えると、日本の子どもにおいて気になる傾向が出ている。1984年の少年の刑法犯検挙・補導人員は30万1252人、2024年は3万7941人(法務省『犯罪白書』)。この40年間で少年非行は10分の1ほどに減っている。その一方で、小・中・高校生の自殺者は同じ期間に251人から529人へと倍増(警察庁『自殺の概要資料』)。冒頭で紹介した研究では、日本人の外向性の低下(内向性の上昇)が明らかにされているが、それが最も顕著なのは子どもかもしれない。
「他人に迷惑をかけるな」「結局のところは自己責任」。こういうことを重んじるあまり、社会の秩序を乱すことなく、生活困窮者は自ら消えるような社会になっているのではないか。為政者には都合のいいことだが、甚だ恐ろしいことだ。困難への対処の仕方は無数にあること、自分を責めるのは間違いであること、助けを求めてもいいことを強調すべきだ。若者の政治的無関心も顕著だが、外を向いて「動けば変わる」ことを、学校では具体的な実例をもって教える必要がある。
<資料>
青山学院大学「日本人の外向性は低下していることを明らかに」
UNODC「Office on Drugs and Crime - Data Portal」
WHO「Mortality database」