ロボット競技大会は単なるエンターテインメントではない。今年は600以上のチームから2000台のロボットが各種競技に参加して、概念実証デモや実用化できる製品を披露した。
視聴者の注目は当然ながら、短距離走や走り高跳びといった陸上競技の花形種目に集まった。一方、投資家が着目したのは、小売りやサービスなどの分野で実用化できるロボットの進展状況だった。
サービスロボットはホテルの客室清掃、オフィスの清掃、店舗の棚への商品補充といった業務分野で競い合った。中国の大手ロボット開発企業AGIBOT(上海智元新創技術)は、消防ロボットと図書館の蔵書整理ロボットでそれぞれ金メダルを獲得した。
どんな市場であれ、真っ先に成功を収めることには真の経済的メリットがある。そこで中国のロボット業界は大手も中小もハードウェアとソフトウェアの両面でしのぎを削る。自分たちの進展の速さを披露できる場は、まだそれほど多くない。
ロボットは決して人間ほど万能ではないかもしれない。だがプログラミングによって特定の作業をうまくこなすことはできる。今年は2台のロボットランナーが100メートル走でウサイン・ボルトの持つ9秒58の世界記録を破り、昨年の大会のタイムを半分以下に縮めた。
人型ロボットの性能はソフトウェアで決まる。そして現在は、ハードウェアの方がプログラミングも進化が速い。だが、中国で同時進行しているAIブームによって、そのギャップは急速に埋まり得る。特に、自律的に思考する汎用人工知能(AGI)を世界に先駆けて実現できれば、その可能性は大きい。
スマート・アナリスティックス・グローバル(本社カリフォルニア)が8月に発表した市場レポートによると、人型ロボットの需要は増大している。
2026年上半期に世界で販売された人型ロボット約1万9100台は、中国企業の製品が全体の97%を占め、85%は中国の顧客が購入していた。
世界市場シェアはAGIBOT(上海)を筆頭に、宇樹科技(Unitree Robotics、杭州)、銀河通用機器人(Galbot、北京)、優必選科技(UBTECH、深圳)、Leju(深圳)が続く。全て中国企業だ。
今年の大会では、金メダル獲得のトップ10にAGIBOTの子会社5社が名を連ねた。
「中国は現在の人型ロボットブームの中心であり続けている」とスマート・アナリスティックス・グローバルは指摘する。
だがそれも控えめな表現かもしれない。この分野で中国は圧倒的なリードを誇る。