あと数週間もすれば、ジョージ英王子の生活は一変する。イギリスで最も国際的に知られている全寮制学校という別世界に飛び込むのだから。これまでに英首相20人、ノーベル賞受賞者3人、それにアカデミー賞受賞者をも輩出してきた超名門校だ。
未来の国王が教わるのは「教師」ではなく、「ビーク」と呼ばれる人たち。演劇の授業はプロ仕様の劇場で行われ、制服は燕尾(えんび)服にベスト。さらに成績優秀な特待生はその証しとして、ガウンを身に着ける。
13歳になったジョージは父ウィリアム皇太子と同じ道を歩み、この秋学期からウィンザー近郊の男子校イートン校で寮生活を始める。ただし、イートン校では秋学期を「ミカエルマス学期」と呼ぶ。1学期は「ハーフ」と呼ばれるが、1年には「ハーフ」が3つある。
いかにもイートン校らしい風変わりな伝統だ。J・K・ローリングの小説でハリー・ポッターが通った架空の寄宿学校、ホグワーツを思わせる。
6月に発表された進学先は、王室評論家の予想どおりだった。それでも目を引くのは、ウィリアムが慎重につくり上げてきた英王室きっての「普通の人」というイメージとは、懸け離れた選択だからだ。イートン校の年間費用は寄宿舎費、諸経費込みで約6万5000ポンド(約1400万円)。大抵の国で初めて住宅を購入する人が支払う頭金をはるかに超える。
「エリート校だから、庶民派の皇太子というウィリアムのイメージには多少傷が付く」と、王室伝記作家のイングリッド・スワードは本誌に語った。「息子をイートン校に通わせられる人は、イギリスではほんの一握りだ」
イギリスで全寮制学校に通う子供は、1%に全く届かない。イートン校が毎年、世界各国から受け入れる13歳以上の男子生徒は約250人。まさにエリートのための学校だ。