決算と金利上昇に揺れた8月の日本株市場

8月の日本株市場は、7月に見られた「AI・半導体などのグロース株から、内需・バリュー株への資金シフト」の流れを引き継ぎつつも、日米の4〜6月期決算とジャクソンホール会議に揺れ動く1か月となりました。

日経平均株価に採用されている銘柄の8月の騰落率ランキングにも、その流れを見て取ることができます。

▼8月の騰落率上位

  1. リクルートホールディングス<6098> +45.1% 
  2. ヤマハ発動機<7272> +42.2% 
  3. 住友金属鉱山<5713> +35.8% 
  4. 三菱マテリアル<5711> +35.0% 
  5. フジクラ<5803> +31.9%

▼8月の騰落率下位

  1. 荏原製作所<6361> -15.8%
  2. ファナック<6954> -15.1%
  3. 横河電機<6841> -11.6%
  4. レーザーテック<6920> -11.3%
  5. パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532> -10.6%

(いずれも日経平均株価採用銘柄のみのランキング)

上位陣では、堅調な業績からリクルートHDが約45%高と急伸したほか、ASEAN諸国などでの二輪車販売が好調なヤマハ発動機も大幅高となりました。

また、コモディティ価格の上昇を受けた住友金属鉱山や三菱マテリアルなどの資源関連のほか、株主還元策が好感された銘柄や出遅れ感のある輸送用機器、AIインフラ需要を背景とした電線大手のフジクラなどに強い買いが入りました。

一方で下位は、荏原製作所やファナックといった機械株、レーザーテックなどの半導体製造装置・関連株が売り先行となりました。

日米の金利上昇が株価を抑える

8月下旬に開かれたジャクソンホール会議では、FRB(連邦準備制度理事会)のウォーシュ議長がインフレ抑制を重視するタカ派姿勢を示しました。これにより、世界的な金融引き締めへの警戒感が再燃しています。

アメリカの長期金利の指標となる10年物国債の利回りは一時4.79%台まで上昇。利上げ観測のほかに、アメリカとイランの交渉停滞やホルムズ海峡の封鎖懸念による原油価格の高止まり、戦費拡大に伴う財政悪化懸念も利回りを押し上げています。

さらに、アルファベットなどのハイパースケール企業がAIインフラ投資に伴う巨額の社債発行を相次ぎ発表したほか、国内でもソフトバンクグループが個人向けに1兆円規模の社債を発行するなど、債券市場の需給の緩みが金利上昇に拍車をかけています。

日本でも、新発10年物国債の利回りが約30年ぶりの高水準となる3.005%を記録。日米の金利上昇は高PERなグロース株を中心に上値を抑える要因となっています。

日米の長期金利のチャート
アメリカ国債は4.8%に迫る上昇。日本の長期金利も節目の3%を超えた
日本株市場の鍵を握る3つの重要ポイント
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