Ariane Luthi
[ベルン 31日 ロイター] - スイス議会上院の委員会は31日、UBSが海外子会社を裏付ける資本のうち50%について、銀行資本として最も質の高い普通株式等Tier1(CET1)資本の比率は50%で足りるとの案を承認した。CET1資本による100%の裏付けを求めてきた政府にとっては後退となる。
上院の経済問題・課税委員会は、クレディ・スイス破綻を受けた銀行規制を巡る審議の中で、残る50%分については、海外部門への完全な資本手当てを達成する手段としてよりコストの低いその他Tier1(AT1)資本の使用をUBSに認めるべきだとした。
中央党所属議員で同委員長を務めるエリッヒ・エトリン氏は、「これはUBSの勝利ではなく、スイスに資する解決策だ」と述べた。
同氏によると、同委員会の提案の下では、UBSは現在のCET1資本水準をほぼ維持できる一方で、AT1資本の積み増しが必要となる。
AT1債はCET1資本より保有コストが低く、経営危機時に損失を吸収する仕組みだが、規制当局は安全性の面で劣ると見なしている。
同委員会は、この手段の強化に向け、CET1資本比率11%程度の水準に追加のトリガー(発動要件)を導入することを提案した。
同行がこの水準を下回った場合、UBSは投資家への配当や自社株買いを停止しなければならない。一定期間内に資本基盤を再構築しない限り、ボーナス支給も削減する必要がある。
これらの修正により、AT1資本の保有コストは同行にとって上昇することになる。
新たな銀行規制案は賛成10、反対2、棄権1で可決された。今後上院本会議で採決された上で、下院の委員会と本会議で審議される。下院ではより厳しい対応が予想される。