Yukun Zhang Liangping Gao Liz Lee

[北京 28日 ロイター] - 中国当局は28日、不動産開発会社の従来型の資金調達モデルの転換を促す一連の新たな措置を打ち出した。不動産市場の混乱で低下した住宅購入者の信頼回復と、業界リスクの抑制を図る。

中国の不動産開発会社は長年、住宅完成前に販売する「予約販売」方式を採用し、売却代金を開発資金に充ててきた。しかし2021年の不動産市場危機以降、資金繰りが悪化した開発会社による工事停止が相次ぎ、購入者の抗議や市場心理の悪化を招いていた。

こうした中で中国人民銀行(中央銀行)と国家金融監督管理総局(NFRA)が公表した新指針では、住宅購入者向けの住宅ローンは住宅プロジェクトの完成後に実行される。また別の指針は地方政府に対し、完成済み住宅の販売を促進して「引き渡しリスクを根本的に防止する」よう求めている。

不動産仲介大手・中原地産(センタライン・プロパティ)のアナリストは今回の措置について「業界の信頼危機を修復し、購入者の不安を和らげることで消費者心理の回復につながる」との見方を示した。

中国の不動産市場は、過剰債務を抱えた開発会社への規制強化を受けて資金繰りが悪化し、長期低迷が続いている。住宅価格は依然として下落傾向にあり、不動産投資も減少が続くなど、本格的な回復には至っていない。この不動産不況は中国経済全体にも影響を及ぼし、不動産価値の下落による家計資産の目減りが消費を抑制する一因となっている。

ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミストは「政策当局が不動産市場安定化の緊急性を認識していることが示された」と指摘した。

国営新華社通信は当局関係者の話として「予約販売と高回転経営を中心とした旧来の住宅販売モデルはもはや適切ではない」と報じた。関係者からは制度改革と予約販売資金の監督強化が必要との声も聞かれる。

中国恒大集団をはじめとする複数の大手開発会社は、融資規制の強化や住宅価格の下落を受けて債務不履行(デフォルト)に陥っており、一部の住宅プロジェクトは現在も未完成のままとなっている。

このような事態の再発防止に向けて新たな措置では、金融機関にプロジェクト融資の責任を持たせる。人民銀行とNFRAが公表した不動産融資管理指針では、各住宅プロジェクトを主管銀行にひも付け、資金管理や融資手配を行う体制を求めているほか、住宅購入者の返済負担を軽減するため、個人向け住宅ローンの最長返済期間を現行の30年から40年へ延長する。

またNFRAは別途公表した草案で、金融機関に対し不動産会社の「合理的な資金需要」に応えるよう改めて求めた。また信託会社に対し、民間企業と国有企業のプロジェクトを区別せずに融資を行うよう促した。

中国証券監督管理委員会(CSRC)も不動産会社の資金調達支援を表明。上場不動産会社の借り換えや再融資、企業買収・再編を支援する方針を示した上に、不動産業界のリスク解消や上場廃止制度の厳格運用、社債デフォルト対応手段の強化にも取り組むとしている。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。