[ワシントン 25日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は25日、世界経済はイラン戦争に伴うエネルギーショックを予想以上にうまく乗り切っているとの認識を示した。一方、債券利回りの上昇やディスインフレの進展停滞を背景に、一部の国で財政状況が悪化していることへの懸念を表明した。
ゲオルギエバ専務理事は、ノースカロライナ州アッシュビルで来週開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に先立つ記者会見で、メキシコ湾岸のエネルギー供給ショックによるマイナス要因と、米国外にも広がりつつある人工知能(AI)投資ブームによる成長押し上げ効果との「綱引き」状態にあると指摘した。
世界経済見通しを巡るリスクは4月時点と比べてより均衡しているものの、財政圧力の高まりや、中銀がインフレ抑制のため金融引き締め政策を長期化させる可能性から、依然として下振れリスクが大きいと述べた。
その上で、世界経済は「高水準の債務、根強いインフレ、貿易摩擦といった強い逆風に持ちこたえている。これまでのところ、ホルムズ海峡の閉鎖によって引き起こされたエネルギーショックは、複数の要因に支えられ、われわれが懸念していたよりも良好に乗り切っている」と語った。
これら要因として、多くの国による石油・ガス備蓄の取り崩し、湾岸諸国以外からのエネルギー供給の増加、エネルギー需要の鈍化、再生可能エネルギー容量の拡大、一部地域での石炭火力発電利用の増加などを挙げた。
さらに、米国でのAI投資が企業収益と個人消費を下支えしているほか、他国でもデータセンター建設やAI関連ハードウエアの供給拡大が進んでいるとの認識を示した。