Alexander Cornwell
[エルサレム 17日 ロイター] - トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏は17日、イスラエルのエルサレムでネタニヤフ首相と会談した。クシュナー氏は前日にイスラム組織ハマスの最高指導者ハイヤ氏も交えてエジプトなどの仲介国と会談。パレスチナ自治区ガザの和平計画巡る行き詰まりの打開を目指したもののイスラエルとハマスは共に強硬姿勢を崩しておらず、2日間の協議で早期打開につながる兆しはみられなかった。
クシュナー氏とネタニヤフ首相の会談は約4時間に及んだ。クシュナー氏は会談後、米FOXニュースに対し「会談は良好だった」と言及。ハマスの代表団は「正しいことを全て語った」とした上で、「30日程度という比較的短期間で進展が見られる可能性がある。まずは一部の武器の撤去を開始し、その後、60─90日以内に地下トンネルの埋め戻しが進められることを期待している」と語った。
同時に、差し迫った脅威が存在する場合、米国はイスラエルの自衛権を制限しない考えを表明。何が「差し迫った脅威」に当たるのかを明確にする必要があるとも述べた。また、「われわれはガザ再建計画に強くコミットしているが、非武装化が実現するまでガザの再建は認めない」と強調。「『テロ組織』に再び支配されたり、再度破壊されたりする場所に、これ以上資金を投入したいと考える者はいない」と述べた。
これに先立ちイスラエル政府当局者は、今回の協議で進展はなかったとの認識を示した上で、ネタニヤフ首相は昨年10月の停戦合意で設定された境界線から軍を撤退させない方針を明確にしたほか、ハマスとの戦闘の発端になった2023年10月7日のイスラエルに対する奇襲攻撃に関与した人物を標的とする作戦を含め、必要と判断する限りガザでの軍事作戦を継続する方針を示したと明らかにしていた。
イスラエル政府当局者によると、ネタニヤフ首相とクシュナー氏は会談で、ハマスが小火器を含め完全に武装解除されるまで、ガザ地区の復興を開始しない方針で一致した。イスラエル首相府は声明で「建設的で踏み込んだ協議だった」とした上で、ガザの武装解除を速やかに実行し、いかなる復興作業も始まる前に武装解除を完了させる必要があるとの認識でイスラエルと平和評議会が一致したと表明した。
このほか首相府によると、ネタニヤフ首相は武装解除・非軍事化に関する作業部会のほか、ガザ地区の公衆衛生問題に取り組む作業部会を設置することで平和評議会と合意した。
関係筋2人によると、トランプ氏がガザ和平計画の履行を監視するために設置した国際機関「平和評議会」でガザ担当特使を務め、同計画の実施を主導しているとみられるニコライ・ムラデノフ氏も同席。平和評議会の当局者は、今回の会談は「詳細で実りの多いものだった」とした上で、今後の進め方を巡り合意が得られたと指摘。「あらゆる軽火器、重火器、全ての地下トンネル」が対象になるとしたほか、イスラエルがは自衛権を維持し、ハマスが「テロ行為や暴力に訴えたり、再軍備を試みたりすれば、イスラエルは必要な対応を取ることができる」と述べた。
クシュナー氏は16日、エジプト、カタール、トルコとカイロで会談した。外交筋によると、一連の会談の一部に、ハイヤ氏が出席。クシュナー氏とハマス幹部との会談は2回目となる。
トランプ大統領は7月30日、平和評議会がハマスとその他全ての武装集団の完全な武装解除について合意に達したと表明。ただ、10月に選挙を控えるネタニヤフ氏は今月9日、和平計画を拒否する姿勢を改めて示していた。