研究チームはまた、加齢に伴う軽度で持続的な炎症「インフラメイジング」の影響も指摘している。加齢による炎症に、腹部脂肪とビタミンD不足による炎症が加わることで、健康へのダメージは大きく増幅される。

本研究のコーディネーターを務めたUFSCarのチアゴ・シルバ・アレクサンドレ教授は、今回の研究結果について、2つの問題が単に並存しているのではなく、互いに影響し合っていることを示していると語る。

「腹部肥満は炎症や代謝障害を引き起こす代表的なリスク要因だ」とアレクサンドレは説明する。「一方、ビタミンDは多様な臓器に働きかけるホルモンであり、不足すると体中のさまざまな機能が低下する。この2つが重なると互いの悪影響を増幅させ、死亡リスクをさらに押し上げるのだ」

「ビタミンDレベルのモニタリングと腹部の過剰な脂肪をなくすことは、特に50歳以降の早死を防ぐために不可欠な対策だ」とアレクサンドレは指摘する。

ウエストの測定と血液検査という手軽な指標で、早死リスクが高い人を特定できる可能性が本研究で示された。この2つの状態を定期的に検査し、必要に応じて治療を行うことが、シニア世代の健康寿命を延ばすための鍵になり得ると、研究者らは述べている。

Reference

Alexandre, T. D. S., et al. (2026). Does the Combination of Abdominal Obesity and Vitamin D Deficiency Increase the Risk of Death in Individuals Aged 50 or Older? Evidence From the ELSA Study. Diabetes, Obesity and Metabolism. https://doi.org/10.1111/dom.70839.

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 世界が愛する日本アニメ
2026年8月11日/18号(8月4日発売)は「世界が愛する日本アニメ」特集。

エヴァンゲリオンから聖闘士星矢、クレヨンしんちゃんまで、世界が愛する作品を各国筆者が一挙紹介

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます