Florence Loeve Gilles Guillaume
[パリ 5日 ロイター] - フランス政府が軍用ドローン(無人機)生産に自動車業界を取り込もうと進めてきた取り組みが、結実しつつある。自動車メーカーや自動車部品メーカー、防衛企業の提携により、ロシアとウクライナの戦争から得られた教訓を実際の生産ラインに反映させる動きだ。
マクロン政権はフランスの自動車業界が持つ大規模な生産能力、自動化技術、コスト管理能力を、軍事技術分野で最も急成長しているドローン分野に活用することを目指している。こうした中、今年に入ってから少なくとも6件の防衛・自動車分野の提携が発表されている。
ウクライナとロシアによるドローンの活用は戦争の様相を一変させた。これを受け、フランスや欧州各国はドローン生産を優先するようになった。米政府が欧州に軍事力強化を求めていることも、こうした動きを加速させている。
これらの計画は、フランスが年間数万機規模のドローンを生産できる産業基盤を構築しつつあることを示している。この規模は防衛系スタートアップ企業だけでは実現が難しいものの、依然としてウクライナやロシアの生産規模には及ばない。
フランスの防衛当局者によると、目標は有事の際に迅速にドローンを生産し、生産能力を急拡大できるようにすることだ。今年7月に公表されたフランス上院国防委員会の報告書は、数千機程度にとどまるフランスのドローン備蓄数について「必要な規模を確保するには不十分」と指摘した。
フランスの自動車部品大手ヴァレオは、防衛技術企業アルマッタンAI向けにフランス国内で電動ドローン用モーターを生産すると発表している。
自動車部品大手フォルヴィアは先週、人工知能(AI)搭載型カウンタードローンシステムを専門とする欧州防衛企業との提携を発表し、月間1000機の迎撃ドローンを製造できる生産能力をフランス国内に整備する計画を検討していると明らかにした。
自動車大手ルノーは既に防衛企業トゥルジス・ガイヤールと長距離ドローンの開発を進めている。
ルノーは今年6月には、防衛大手タレスと提携し、遠隔操作の徘徊型弾薬(自爆ドローン)「トゥタティス」の量産化に乗り出した。2027年から月間1000機の生産を目指す。
また、フランスのドローンメーカーであるデレールは6月、ドイツの自動車部品メーカーであるシェフラーと提携し、今年11月までに1日当たり約100機のドローンを生産可能なフランス国内の生産ラインを立ち上げる計画を明らかにした。
ルノー、シェフラー、フォルヴィアが発表した計画が実現すれば、年間の合計生産能力は6万機に達する可能性がある。