[香港/北京 6日 ロイター] - プルーデンシャルやAIAグループなど大手保険会社の香港上場株が6日、大幅に下落した。関係筋によると、中国本土の税務当局が、オフショアの保険契約から得た収益に課税し始めたという。
複数の関係者がロイターに明らかにしたところによると、北京市と杭州市の当局は、香港の保険契約から得られる配当や、前払い保険料に付く利息といった収益に、20%の個人所得税を適用し始めた。
今回の動きは、中国人富裕層の海外資産運用における主要金融ハブという香港の地位に打撃を与えるもので、オフショア投資に対する中国の監視が一段と強まる兆しとアナリストはみている。
中国財政省と国家金融監督管理総局はロイターのコメント要請に応じていない。
これら海外拠点の保険会社は収益の大部分を中国本土の顧客から得ており、今回の課税に関する報道を受け、保険契約やその他の金融商品の販売が鈍化するとの懸念が広がった。
AIAの株価は8.5%下落した。プルーデンシャルは5%超下落した。香港を拠点とする保険会社FWDグループは5.2%安。香港資産を有する相当規模のオフショア事業を抱える中国人寿保険は1.4%下げた。
HSBCの香港上場株は2.3%下落し、スタンダードチャータードは1%安となった。両行ともに大規模な保険部門を擁している。
香港の保険は長年、中国人投資家が海外資産を購入するチャネルとなってきた。本土で利用できるものより手厚い保障を提供し、関連する貯蓄・投資商品の多くは米ドル建てで販売されているためだ。国内債券利回りの低下で本土での保険収益が押し下げられたことにより、近年オフショア商品への需要はさらに高まっていた。
中国本土当局はここ数カ月、オフショア投資への監視を強化しており、アナリストによると、中国の個人投資家にとって有力なオフショア投資先である香港への資金流入に影響が及ぶ可能性がある。
保険会社の株主は新税の影響を警戒しているが、アナリストによると、オフショア保険の購入を全面禁止するよりは脅威の度合いは小さいという。シティのアナリストは顧客向けメモで、海外での資産分散志向や複数通貨に対応できる柔軟性など、香港の保険需要を支える主要な要因は損なわれていないと指摘。「現在の売りはパニック的な色彩が濃く、行き過ぎだと見ている」と分析した。