Summer Zhen
[香港 5日 ロイター] - アジアの大手マルチストラテジー型ヘッジファンドが7月、今年最大のドローダウン(運用資産の下落率)を記録した。複数の関係者が5日明らかにした。日本、韓国、中国の人工知能(AI)関連株の急落を受け、上半期に積み上げた利益が大きく削られた。
市場では、AI投資拡大への懸念や中東情勢の緊迫化を背景に半導体株が売られ、アジアの主要半導体企業の株価が下落。上半期の運用成績を押し上げていたポジションが、7月には損失要因へと転じた。
個別に見ると、運用資産60億ドル超の香港拠点ポリマー・キャピタル・マネジメントが7月に6.9%下落した。上半期のアジアのマルチストラテジー型ファンドで首位だったが、年初来リターンは11.5%に縮小した。関係者によると、日本株のポジションが一因となった。
また運用資産90億ドルのシンガポール拠点ダイモン・アジアのマルチストラテジー型ファンドは6.5%下落し、1-7月の上昇率は7.5%に縮小。香港のピンポイント・アセット・マネジメントの主力マルチストラテジー型ファンドは7月に9%下落した。一方シンガポールを拠点とするアローポイント・インベストメント・パートナーズの下落率は2.6%にとどまった。
関係者の話では、アローポイントは韓国や台湾市場で特定ポジション向けレバレッジ供与に慎重姿勢を示す銀行が増えるなど、市場で過度なレバレッジ拡大の兆候を確認したことから、7月前にファンド全体のリスクを引き下げていた。この対応が運用成績の下支えにつながったという。
複数の運用戦略を組み合わせるマルチストラテジー型ファンドにとっても、月間5%超の損失は大きい。これらのファンドは株式、債券、マクロ戦略、商品などを担当する複数の運用者を抱え、市場との相関を抑えながら安定した収益確保を目指している。
もっともこれらのマルチストラテジー型ファンドの成績は業界全体ほど落ち込んでいない。ゴールドマン・サックスの推計によると、アジアの株式運用型ヘッジファンドの7月の平均リターンはマイナス15.2%と、過去最大の月間下落率となった。