Parisa Hafezi Samia Nakhoul

[5日 ロイター] - イランが、米国による新たな対イラン攻撃があれば、湾岸地域全体の重要なエネルギーインフラへの報復攻撃に踏み切ると警告するとともに、湾岸諸国に対し、トランプ米大統領に外交路線へ戻るよう働きかけることを求めていたことが分かった。情報筋5人が明らかにした。

イランの警告は、トランプ氏が7月28日、イランのエネルギー網やインフラを攻撃する可能性に言及したことを受け、サウジアラビアやカタールなどを通じて米国側に伝えられたという。

情報筋によると、イランのアラグチ外相はサウジ、トルコ、カタールの外相やパキスタン軍トップと会談。湾岸地域の米同盟国に対し、トランプ氏に新たな攻撃を思いとどまるよう働きかけることを促した。また、イランへのいかなる攻撃も、湾岸全域の米資産やエネルギー施設への報復を招くと警告した。

情報筋の1人は「イランには報復する用意があるが、外交的解決策を見いだすことが地域全体の緊張激化と破壊を回避する最善の方法だ」というのが、アラグチ氏の一貫したメッセージだったと明らかにした。

別の情報筋も「イランの警告は明確だった。米国がイランのインフラを標的にすれば、イランは湾岸地域のエネルギー施設やその他の標的への攻撃で報復するだろう」と述べた。

その後、サウジのムハンマド皇太子はトランプ氏と会談し、軍事行動の延期を要請。交渉への復帰や停戦の確保、外交的解決の追求を促した。カタールやオマーンも米国に対し、再びイランを攻撃すれば「地域が火の海になる」と警告し、イランとの対話再開と新たな紛争の回避を求めた。

トランプ氏は2日、「迅速な合意」が得られることを条件に、イランへの攻撃計画を見送ることに同意したという。

<イラン当局者、地域全体の緊張激化を警告>

情報筋の1人は「サウジは、さらなる緊張激化はより多くの破壊をもたらすだけだと考えている。だからこそトランプ氏に外交にチャンスを与えるよう促した」と語った。

サウジは米国に外交路線を追求するよう促す一方、脅威にさらされれば自衛する姿勢も明確にした。別の情報筋によると、サウジは自国領土へのいかなる攻撃にも軍事的に対応すると警告した。

サウジ王室に近いアナリスト、アリ・シハビ氏は、さらなる緊張激化は望ましい結果をもたらさないというのがサウジの見立てだと指摘。「サウジは釣り合いの取れた軍事的対応と、ホルムズ海峡でのイランへの持続的な圧力を組み合わせることが、現実的な外交的解決への最も強力な道筋になると考えている」と述べた。

一方、イラン当局者によると、同国の警告は、米国による新たな攻撃があれば、湾岸全域のエネルギー施設、製油所、送電網、水道インフラ、輸送網、油田への攻撃で応じることを明確にした。

この当局者は「敵はイランのインフラを脅かし続けている。イランが損害を受ければ、はるかに大きな損害を報復として与える」と述べた。また「彼らは今なおサウジのアラムコを覚えている」とし、2019年9月に起きたアブカイクとクライスの石油施設に対するドローン(無人機)・ミサイル攻撃に言及した。この攻撃はサウジの原油生産の半分超を一時的停止させ、湾岸のエネルギーインフラの脆弱性を露呈した。

イランは湾岸経済にとって不可欠なインフラへの攻撃を警告することで、自国への再攻撃が容認できない経済的・戦略的な結果をもたらすことを米国とアラブ同盟国の双方に納得させ、地域諸国がトランプ氏に軍事行動回避を働きかけるよう促そうとしている。

イラン高官によると、同国の見方ではトランプ氏は現在、湾岸を巻き込み世界のエネルギー供給を混乱させかねない紛争を激化させるか、米国が望む決定的勝利には及ばない交渉による決着を受け入れるか、という二つの好ましくない選択肢に直面している。

地域外交筋によると、合意への主な障害の一つは、イランが「勝者」として浮上するのを米国がためらっている点だという。同筋は「米国は戦争に勝ったと示せる何かを求めている」と述べた。

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