Michael S. Derby
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクック理事は5日、米経済の「高すぎる」インフレ水準に対処するため、FRBが利上げを行う必要が生じる可能性を排除しない考えを示した。
クック氏はアラスカ州アンカレッジで開かれた「アンカレッジ経済開発公社」主催の会合で講演し、インフレが沈静化し始めなければ「必要に応じて利上げによって行動する用意がある」と述べた。
その上で、FRBが負う責務のうちインフレ面のリスクは、雇用市場目標に関するリスクよりも高いと指摘。FRBが強い物価上昇圧力に対処するために利上げが必要になった場合、それが経済全体に与える影響を見極めた上で、「インフレを抑制するために必要であれば利上げを支持する。ただ、必ずしも必要になるとは限らない」と語った。
さらに、インフレ率が目標の2%を上回る水準で高止まりしている期間を踏まえると、FRBにはインフレに対処する余地がなくなりつつあると指摘。「インフレは価格・賃金設定行動に定着し、その持続性によりわれわれが対処するのがはるかに困難になる可能性がある」とし、「別の環境であればより長く待つ余裕があるかもしれないが、今の状況ではそうした余裕はない」と述べた。
クック氏は、FRBが先月開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きに賛成票を投じたことについて、「インフレ動向の推移を見極める間、金利を変更しないのが適切だと感じた」と説明。関税や中東紛争、人工知能(AI)分野に関連する投資などのインフレ要因は和らぐ可能性があり、これが全体的な物価圧力の低下に寄与するとの見方を示した。
その上で「私は物価安定の回復に確固たる決意で取り組む」と語った。
また、消費者マインドの悪化はインフレを含む複数の要因に関連していると指摘。AIに関してはリスクは依然残るものの、「これまでのところ、AIによる雇用喪失に関する最も悲観的な予測は現実化していない」との認識を示した。