Kentaro Okasaka

[東京 4日 ロイター] - 日本製鉄は4日、2027年3月期(国際会計基準)の純利益予想を従来の2200億円から前年比約17倍の2900億円に上方修正すると発表した。昨年買収した米鉄鋼大手USスチールの収益改善や、在庫評価差益の拡大が貢献する。

IBESがまとめたアナリスト11人のコンセンサス予想の平均値2852億円を上回った。

本業のもうけを示す連結事業利益予想も従来の5300億円から6300億円に引き上げた。

岩井尚彦最高財務責任​者(CFO)は決算会見で、足元の鉄鋼事業の環境について、人工知能(AI)や半導体、電力関連では堅調な半面、製造業や建設業は低調が続いていると指摘。中国の過剰生産・輸出は改善の兆しが見えず、政治経済情勢の不安定化や中東情勢の影響や経済減速で「引き続き深刻な状況と認識している」と語った。「特にASEAN(東南アジア諸国連合)は非常に中国財の影響を受けている」と懸念を示した。

その上で、「経済のブロック化」が進む海外でUSスチールが「グループの稼ぎ会社になって収益をけん引するステージに入ってきた」と強調した。業績予想では、中東情勢の影響を見通し得る範囲で織り込んだ上で、そのマイナス分をUSスチールの利益拡大でリカバリーする計画という。岩井氏は「これまで北米、欧州、インドを中心に中国の影響を受けにくく成長が見込める地域に集中的に先行投資してきた」とし、「実績でさらなる利益成長を実現していきたい」と述べた。

利益見通しでは、原料炭などの原燃料コスト増や円安の影響は下振れ要因として織り込み済み。さらに、米国で利上げにより建設事業が減速したり、関税を払ってでも流入してくる輸入鋼材によって市況が調整されたりするリスクもあるとし「中東情勢や米国の市況を含め、四半期決算ごとにローリングして見通しを変えていくことをやっていきたい。 そういう意味では、(今回の見通しは)やや固めにみているとも言える」と語った。

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