ロシアの首都モスクワを取り囲む36行政区の一つ、リュベルツィ地区の公式ウェブサイトに、新たな地図がひっそりと掲載された。

この地図には数十カ所の防空壕が示されている。ウクライナのドローンが飛来し、首都周辺に配備された防空システムが迎撃を始めた際に、モスクワ東部の住民が避難先を確認するためのものだ。

ウクライナが爆発物を搭載した無人航空機(ドローン)をロシア領内数百キロ先まで飛ばし、ウラジーミル・プーチン大統領の権力中枢に向けた攻撃を強化していることを示す新たな動きだ。

アメリカの非営利団体「武力紛争位置・事象データベース(ACLED)」の統計によると、ウクライナは2026年1月以降、モスクワに対して237回、モスクワ州全体ではさらに85回のドローン攻撃を行った。

合計322回に上るこれらの攻撃は、昨年に行った287回の攻撃をすでに上回っている。

  ◾️モスクワとモスクワ州で確認されたウクライナによるドローン攻撃・迎撃件数(年別)
 

ウクライナは、燃料輸出などロシアの重要な収入源を断つことに加え、前線から遠く離れたモスクワの住民にも戦争を実感させ、反戦感情を喚起することを狙っている。

ウクライナは物流拠点や石油貯蔵施設、軍事基地に加え、ロシア最大のオンライン小売企業ワイルドベリーズが使用する倉庫なども標的としている。一方、投入されるドローンも高度化が進み、性能向上が続いている。

こうした攻撃はロシア経済に圧力をかけ続けている。燃料不足に加え、インフレや社会保障支出の削減と並行して進み、最近の世論調査では戦争継続への支持が低下しているとの結果も出ている。

交渉が再開された際には、こうした状況がウクライナの交渉上の立場を強める可能性がある。

この攻撃は「ゲームチェンジャー」
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