Dan Rosenzweig-Ziff Richard Cowan

[ワシントン 29日 ロイター] - 米上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党)は29日、トランプ大統領(共和党)が司法長官に指名したトッド・ブランチ司法長官代行の人事案を本会議に送るための採決を延期した。

2021年の議会襲撃事件で訴追されたトランプ氏の支持者を念頭に打ち出された救済基金に対して共和党のジョン・コーニン、トム・ティリス両上院議員が懸念を示し、人事案の承認に必要な賛成を確保できなかったためだ。

グラスリー氏の報道担当者は声明で「ブランチ氏を好意的な形で本会議へ送るため、委員会内で十分な支持を得る作業を続けている」と説明した。採決の新たな日程は明らかにしていない。

問題となっているのは、トランプ氏が内国歳入庁(IRS)を相手取って起こした100億ドルの訴訟を巡る和解合意。この合意には、トランプ氏の支持者らを救済する基金の創設や、トランプ氏に対する広範な税務監査免除措置が含まれているとされる。

ブランチ氏は今年6月初旬、政府機関による不当な扱いを受けたと主張する人々への補償を目的とした17億7600万ドルの同基金創設計画を取り下げると議会に説明した。しかしコーニン氏らは基金計画が正式に終了したことを文書で保証するよう司法省に求めている。コーニン氏は29日に「賛成票を投じる準備はできていない」と記者団に語り、司法省の回答が不十分だとの認識を示した。この問題を受け、同日予定していたブランチ氏との会談も取りやめた。

事情に詳しい関係者によると、ブランチ氏は29日、基金計画を完全に終了させる内容を盛り込んだ提案書をコーニン氏ら主要な共和党議員に提出した。ただ、コーニン氏側は求めていた内容に沿った文書を受け取っていないとしており、そうした文書の受領後であれば再協議に応じる姿勢を示した。

また、関係者の話では、今回の提案には、ブランチ氏が署名したトランプ氏とその関係者への税務監査免除に関する合意内容を明確化する項目も含まれている。これについてコーニン氏は「他の納税者には考えられないような監査免除を与えるものだ」と批判した。

トランプ氏は記者団に対し、ブランチ氏の承認手続きは円滑に進むと考えていたとした上で「私がコーニン氏を支持しなかったことに腹を立てているのかもしれない」と主張。これに対し、コーニン氏は「都合の良い言い訳だ」と反論した。

ブランチ氏の指名を委員会で承認するには、共和党所属委員全員の支持が必要とみられており、コーニン氏の動向が焦点となっている。上院共和党トップのジョン・スーン院内総務は、コーニン氏とホワイトハウスが協議を続けているとの認識を示した。

コーニン氏は「政権側は決断する必要がある。決断すれば手続きを進められる」と話した。

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