Anhata Rooprai Stephen Nellis
[29日 ロイター] - 米半導体大手クアルコムは29日、第4・四半期(7-9月)の利益見通しが市場予想を下回ると発表した。アップル向け製品の売上高についても、供給制約やコスト上昇の影響でこれまでの想定より速いペースで減少すると警告した。これを受け株価は時間外取引で一時3%超下落した。
最新の第4・四半期の調整後1株利益見通しは2.05─2.25ドル。LSEG集計によるアナリスト予想平均は2.36ドルとなっている。
売上高見通しは97億─105億ドルで、市場予想の100億2000万ドルを挟む水準となった。主力の半導体事業売上高は84億─90億ドルを見込み、市場予想の84億9000万ドルとほぼ同水準だった。
クリスティアーノ・アモン最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューで、メモリー半導体だけでなくサプライチェーン全体でコストが上昇していると説明した。
同氏は、クアルコムは利益率を過去の水準に戻すため、9月1日から価格引き上げを実施する方針だと述べた上で、顧客ごとに個別交渉が必要になるとして「大幅なコスト上昇分を価格に転嫁している。コストと価格の一時的なずれが、粗利益率の一時低下につながっている」と付け加えた。
一方、クアルコムは、次期iPhone向け部品供給におけるシェアが、従来見込んでいた20%を大きく下回る水準になる見込みだと明らかにした。これに伴いアップル関連の売上高は第4・四半期から以前の予想以上のペースで減少するという。
アモン氏はアップル向けシェア低下の理由について「供給能力の問題」を挙げた。
クアルコムは2027年度までに、半導体売上高の過半をスマートフォン以外の分野から得る見込みとしている。アモン氏は「データセンター事業がアップル向け売上高の落ち込みを補う形になる」と述べた。
同社は成長が続く人工知能(AI)データセンター市場への展開を進めており、同事業の売上高を27年度に50億ドル、29年までには150億ドルへ拡大することを目標としている。
ただシーポートのアナリスト、ジェイ・ゴールドバーグ氏は「事業多角化を進める中で、クアルコムは中核であるモバイル市場への注力を失っている。アンドロイド陣営でシェアを失い、アップル向けでも残っていたシェアの大半を失った」と指摘した。
また同社は中国のスマホメーカー向け売上高について、顧客の過剰在庫調整が進み、第3・四半期に底打ちしたとの見方を改めて示した。
第3・四半期の売上高は前年比4%減の99億5000万ドルだったが、市場予想の96億7000万ドルを上回った。調整後1株利益は2.21ドルで、市場予想の2.23ドルをやや下回った。
スマホ向け半導体事業の売上高は前年比20%減の50億9000万ドルとなり、半導体部門全体の売上高も5%減の85億ドルとなった。市場予想ではスマホ向け事業売上高は49億6000万ドルだった。