<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが全面安となった。米連邦準備理事会(FRB)が28─29日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決めたことが背景。今回の決定により、ウォーシュFRB議長がインフレ率を目標の2%に戻すという公約をどう果たすのかを巡り、疑問が一段と強まる可能性がある。FRBはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を3.50─3.75%に据え置くと決定した。据え置きは5会合連続。ただ、決定は9対3で、12人の委員のうち3人が0.25%ポイントの利上げを主張し、金利据え置きに反対票を投じた。nL6N43V17H ワシントンにあるモネックスUSAのトレーディング担当ディレクター、フアン・ペレス氏は「今のところ極めてドルにマイナスの決定だが、過去の会合では最初の反応が誤りである場合もある。年内の残りの期間、FRBは躊躇(ちゅうちょ)し、利上げを見送るとみている」と語った。 ドル指数は0.3%安の101.07。ユーロは0.4%高の1ユーロ=1.14315ドル、英ポンドは0.4%高の1ポンド=1.3342ドルとなった。 ナティクシスのチーフ米国エコノミスト、クリストファー・ホッジ氏は「ウォーシュ氏はインフレに対して警戒を続けるとみているが、同時に、最近の落ち着いたインフレ指標が現在の政策スタンスが適切である可能性を示唆しているとも認めるだろう。そうでない場合には、FRBはあらゆる価格圧力を抑え込む準備ができている」と指摘した。 ドル/円は0.3%安の1ドル=163.35円となったが、40年ぶりの高値からそれほど遠くない水準にとどまっている。日本当局による介入の可能性にトレーダーは警戒を続けている。 日銀は31日まで開催の政策決定会合で金利を据え置く見通しだが、タカ派的な情報発信を通じて追加利上げの余地は残すとみられる。スコシアバンクのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「週末にかけて相当なリスクがあるとみている。また、日銀の政策担当者がタカ派的な据え置きを実施し、短期金利市場で現在織り込まれている(12月までの)25bpの引き締めをさらに積み増そうとする場合、国内要因による(円)高の可能性にも留意している」と記した。 暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが約1%高の1ビットコイン=6万4435ドルとなった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> FRBが政策金利の据え置きを決めたことを受け、金利見通しを敏感に反映しやすい2年債利回りが低下した。10年債や30年債の利回りは上昇した。FRBは28─29日に開いたFOMCでFF金利誘導目標を3.50─3.75%に据え置くと決定。据え置きは5会合連続だったが、12人の委員のうち3人が0.25%ポイントの利上げを主張し、金利据え置きに反対票を投じた。 今回のFOMCを巡っては、足元でインフレ圧力の緩和を示す経済指標が発表される一方、中東情勢の緊迫化を背景にした原油高でインフレ再燃への懸念も高まっており、FRBの決定について見方が分かれていたが、市場では会合前時点で、利上げの確率を約3分の1と織り込んでいた。 資産運用会社RWAウェルス・パートナーズ(ボストン)の最高投資責任者(CIO)、JP・パワーズ氏は「FOMCが開かれるたびに、不確実性が一段と高まるような状況になっている」とし、「現時点では次回9月のFOMCでの利上げ実施に向けて地ならしが進んでいるようにも見えるが、それまでに発表される経済指標を見極める必要がある」と述べた。また「今回のFOMCの結果発表前は、中東情勢の緊迫化にもかかわらず2年債利回りも上昇していた」と指摘。「これは、今回の会合で実際に利上げが決定される可能性が市場で意識されていたことを示している」とした。 この日は、米国とイランの戦闘再開を受けた原油価格の急騰を背景にインフレ圧力が再び強まるとの見方から、米国債利回りは朝方から総じて上昇していた。 終盤の取引で、2年債利回りは5bp低下の4.227%。一時は4.339%まで上昇した。 10年債利回りは3.5bp上昇の4.639%。一時は4.6549%まで上昇した。2年債利回りと10年債利回り格差は41.3bpと、6月5日以来の水準に拡大した。 30年債利回りは7.1bp上昇の5.167%。一日の上昇幅としては5月15日以来の大きさだった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 大幅安で取引を終えた。FRBが28─29日に開いたFOMCで政策金利を据え置いたことに加え、マイクロソフトとメタ・プラットフォームズの四半期決算発表を引け後に控え、人工知能(AI)関連の半導体株がこのところの下落に拍車をかけた。FRBがフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を3.50─3.75%に据え置くことは広く予想されていた。据え置きは5会合連続。ただ、決定は9対3で、12人の委員のうち3人が0.25%ポイントの利上げを主張し、金利据え置きに反対票を投じた。 指標のS&P総合500種は1カ月ぶりの安値を付けた。ハイテク株中心のナスダック総合は6月に付けた過去最高値から約9%下落した。 ナスダック100指数は2.1%安。6月に付けた過去最高値から11%下落した。巨額の設備投資を巡る懸念からAI関連株の売りが膨らみ、このところの下げが続いた。同指数はナスダック市場に上場する非金融の主要銘柄で構成される。 カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「FRBは予想通り現状を維持した。だが、より大きな問題は9月にどれだけ利上げ圧力がかかるかだ。インフレは高進しており、原油価格が急騰する中、市場は次の利上げが実際に9月になると予想している」と述べた。 投資家は、米主要企業がAI関連投資を拡大し、フリーキャッシュフローを犠牲にしてまで新興技術に数十億ドルを注ぎ込み続けていることを懸念している。メタ・プラットフォームズは、2026年通期の設備投資見通しの下限を従来の1250億ドルから1300億ドルに引き上げ、株価は時間外取引で4%下落した。マイクロソフトは引け後に0.6%上昇。クラウド事業の四半期売上高の伸びが市場予想を上回り、AIインフラへの巨額の支出が成果を上げつつあることが示された。 一方、中国企業がより安価なAIモデルを投入する中、先端半導体の開発でも中国との競争が激化している。 ウォーシュFRB議長は記者団に対し、AIへの支出は将来の成長の基盤を築いていると語った。 AI関連の半導体株はこのところの下げを拡大した。韓国SKハイニックスの四半期利益が6倍に急増したものの、投資家の高い期待に届かなかったことを受けた。 AIインフラ企業のバーティブは、四半期売上高が市場予想を下回り、17%急落した。 S&P500の11業種のうち8業種が下落。工業が3.24%安で最も下げがきつく、次いで情報技術が2.5%安となった。自動車大手フォード・モーターは、26年通期の利益見通しを上方修正し、株価は2.1%上昇した。見通しの引き上げは今年2回目。 空調ソリューション大手のレノックスは21%急落。通期利益見通しを引き下げた。ビザは0.6%上昇。サッカーのワールドカップ(W杯)に伴う旅行需要が寄与して四半期利益が市場予想を上回った。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> FRBが政策金利を据え置いたことで、ドルと米国債利回りが低下し、金は一時2%上昇した。金現物は午後2時55分(米東部時間)時点で1オンス=4101.99ドル(1.9%高)となり、23日以来の高値4116.26ドルを付ける場面もあった。8月限の米金先物の清算値は0.1%安の4036.30ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米国時間の原油先物は、約7%急騰した。中東での空爆が再燃したうえ、米政府統計で国内原油在庫が数年ぶりの低水準に落ち込んだことが示され、供給減少への懸念が強まった。 北海ブレント先物の清算値は前日比6.65ドル(7.91%)高の1バレル=90.74ドル。米WTI先物は5.20ドル(6.56%)高の84.46ドルだった。
米国とサウジアラビアは29日、イラクでイランの支援を受ける武装勢力を空爆した。これらの組織がサウジの石油施設に対するドローン(無人機)攻撃を行ったとしている。 エジプトでは、地中海に面した天然ガス積み出し港で爆発が発生。英海事保安会社アンブレイによると、米企業が所有する洋上貯蔵タンカーが無人機に被弾した。
アゲイン・キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏は「市場は域内の供給リスクの高まりを再び急速に織り込んでいる」と指摘した。
トランプ米大統領がFOXニュースとのインタビューで、イランに対する追加攻撃を約束したことを受けて、原油価格は上げ幅を拡大した。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 163.38/163.
42
始値 163.64
高値 163.90
安値 163.24
ユーロ/ドル NY終値 1.1465/1.14
70
始値 1.1385
高値 1.1470
安値 1.1375
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*25.5 5.2124
0 %
前営業日終値 98*17.0 5.0960
0 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*18.0 4.6874
0 %
前営業日終値 98*06.5 4.6040
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.0 4.4102
0 %
前営業日終値 100*02. 4.3610
00 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.0 4.2664
0 %
前営業日終値 99*30.3 4.2770
8 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 51594.14 -1,153. -2.19
18
前営業日終値 52747.32
ナスダック総合 24442.94 -433.97 -1.74
前営業日終値 24876.91
S&P総合500種 7316.15 -112.63 -1.52
前営業日終値 7428.78
COMEX金 8月限 4036.3 ‐2.4
前営業日終値 4038.7
COMEX銀 9月限 5808.9 +56.0
前営業日終値 5752.9
北海ブレント 9月限 90.74 +6.65
前営業日終値 84.09
米WTI先物 9月限 84.46 +5.20
前営業日終値 79.26
CRB商品指数 385.4907 +6.3049
前営業日終値 379.1858