Takaya Yamaguchi

[東京 29日 ロイター] - 政府は近く2027年度予算の概算要求基準を閣議了解する。高市早苗首相肝いりの官民投資では各省庁からの要求額に上限を設けず、金額を示さない事項要求も認める。歳出圧力に拍車がかかるのは必至で、予算編成が本格化する年末にかけ、財政リスクがくすぶり続けそうだ。

<4年連続で過去最大か>

ロイターが概算要求基準案を確認した。

案では、国内投資を通じた潜在成長率の引き上げに向けて、通常の歳出とは別に、「強く豊かな日本」投資枠を創設。「要求上限を設けず、事項要求も含め、所要額を適切に要求」すると記す。2040年度までの官民投資370兆円のうち、国がいくら負担するかが今後、焦点となる。

次年度予算では「経済・物価動向などの的確な反映」を実現する考えも打ち出した。物価や賃金が上振れする現状を踏まえれば、歳出要求は例年以上に膨らみやすい。

予算の3分の1を占める社会保障分野では、高齢化に伴う自然増を容認する。ただでさえ財政運営で補正予算依存からの脱却を掲げている高市政権において、当初予算の肥大化は避けられそうにない。

予算要求は、26年度まで3年続けて過去最大を更新していた。26年度の要求額は初めて120兆円を突破し、122兆4454億円だった。

27年度要求額を巡り、市場には「過去最大を更新する可能性が高い」(みずほ総合研究所の酒井才介・主席エコノミスト)との見方がある。

<円安・金利上昇に身構え>

年末の予算編成に向けては、防衛予算の扱いも焦点となる。

予算要求基準では、防衛費について「防衛力整備計画」を踏まえて要求するとした。一方、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3文書改定に伴う対応については「予算編成過程において検討」するとしており、実際の予算額は見通せない。

市場は「財政懸念につながるリスクが絶えない。年末にかけた円安、金利上昇圧力は、なかなか収まりそうにない」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志・主席エコノミスト)と身構える。長期金利が想定以上に跳ね上がれば国債費がかさみ、政策経費を圧迫する事態も予想される。

金利ある世界の到来で国債利払いが膨張し、歳出構造の見直しが急務となる中で、メリハリの利いた予算編成にこぎ着けるかは今後、正念場を迎える。

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