かつて企業にとって水は、「安定的に確保すべき生産資源」の1つだった。しかし、世界的な水不足や気候変動の深刻化を背景に、企業の水に対する考え方は大きく変化している。

近年は、「どこの水を誰と共有しているか」という視点が重視される。

とりわけ注目されているのが地下水。多くの企業の操業を支える基盤であり、その持続可能性は事業継続だけでなく、地域社会との信頼関係にも直結する。

自社だけでなく流域全体で協働して水環境を保全する流域管理への関心は、大手飲料メーカーを中心に始まり、現在では半導体など他業界にも広がっている。

しかしながら、地下水は目に見えない。調査には井戸を掘り、地下水位や湧水量を測定するなど、多大な費用と時間が必要であった。

こうした課題に対し、建設コンサルタントの八千代エンジニヤリングが2020年頃に開発に着手したのが地下水の流れを表した「水の浸み込みやすさマップ」だ。

同社の地質エンジニア長谷川怜思(さとし)は開発の経緯をこう語る。

「雨が降ると、水が浸み込みやすい土地では地下に浸透した水が、湧水や河川水として地表に現れる。そこで、公開されている詳細な標高データと長年の現地調査で培った当社の知見を組み合わせ、地形と河川の分布から地下水の流れを推計する手法を考えた」

投資家や地域住民に説明する際の根拠になる
【関連記事】