Yantoultra Ngui Samuel Shen
[シンガポール/上海 27日 ロイター] - 上海市場に27日上場した中国のメモリー半導体最大手CXMT(長鑫存儲技術)の株価が公開価格を約470%上回り、時価総額で中国株式市場の首位に躍り出た。
初値は49.50元で、公開価格の8.66元を大きく上回った。上場直後の数分間で時価総額は3兆3000億元(4873億1000万ドル)に達し、新規株式公開(IPO)手続き時点の855億ドルから大幅に増加。中国工商銀行(ICBC)を抜いて国内上場企業で最大となった。
株価は一時38.11元まで下落したが急速に持ち直し、0236GMT(日本時間午前11時36分)時点で49.51元で取引された。
今回の上場は、世界的な人工知能(AI)関連銘柄の売りで市場が不安定になる中、投資家が中国の代表的な半導体企業にどれだけの価値を認めるかを測る試金石となる。市場では高成長のテクノロジー銘柄と、より安全なセクターの間で資金の移動が起きている。
CXMTはIPOで579億2000万元(86億ドル)を調達した。需要に応じて追加売却するオーバーアロットメントオプションが全て行使されれば、調達額は666億1000万元に増える可能性がある。
IPO価格に基づく企業価値は、オーバーアロットメントオプション行使前で約5790億元(855億ドル)となり、中国上場の半導体企業として最大級となる。
上場時点で自由に取引できる株式は拡大後の発行済み株式の6.73%にとどまり、大半の株式はロックアップされている。浮動株が少ないため、値動きは増幅され、活発な売買を引き寄せる可能性もある。
HSBC前海証券は先週のリポートで、今回のIPOは上場前後に市場全体から流動性を吸い上げる可能性があると指摘した。ただ、過去のハイテク株の上場では、翌営業日に反発する傾向があったとも指摘している。
<市場は落ち着いた動き>
CSI300指数と上海総合指数はともに約0.5%上昇し、序盤の下げから切り返した。CXMTの大型上場が市場の流動性を吸収するとの懸念が後退した。
盛麒資本(香港)のゼン・ウェンカイ最高投資責任者(CIO)は、CXMTの上場に対する「市場の反応はかなり落ち着いている」と述べた。「CXMTの上場が無事に終了した今、ハイテク部門全体がさらに上昇するには新たな材料が必要になる」と指摘した。
ファンドマネジャーがCXMT株の組み入れに向けて保有銘柄を入れ替えたため、半導体製造株と半導体株は下落した。
一方、半導体材料・製造装置関連株は上昇した。CXMTがIPOで調達した資金を生産能力の拡大に充て、上流の供給業者が恩恵を受けるとの見方が広がった。
UBSのアナリスト、シオン・ウェイ氏は「長期的には、中国では大手ハイテク企業と同セクターを支える幅広いインフラの双方でのAI関連投資が拡大すると予想している」とし「中国のAI部門がバブル状態にあるとは考えていない」と語った。