トランプ米政権は、日本や欧州連合(EU)を含む60カ国・地域を対象に、強制労働対策が不十分だとして10%または12.5%の新たな関税を24日に発動する。世界各国に対する10%の暫定関税が失効するのと同じタイミングとなる。
米最高裁は2月、トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動した「相互関税」を違法と判断した。トランプ政権はこの判決を受け、通商法122条に基づき150日間限定で10%の暫定関税を課してきた。この関税は米東部夏時間24日午前0時1分(日本時間午後1時1分)に失効する。
新関税はこれと同時刻に発効し、輸送中の貨物については米東部夏時間28日午前0時1分まで適用が免除される。
連邦官報の公示で23日に発表された新関税は、米国の輸入品の99.4%を対象とするが、石油・ガス、肥料、一部食品などの品目は適用除外となる。
通商法301条を根拠とする新関税により、政権は最高裁での敗北にもかかわらず、事実上全ての米輸入品に対して関税の下限を維持できる。また、301条は過去の訴訟を乗り越えてきた経緯があり、2月に違法と判断とされた関税に比べて訴訟リスクも低いとみられる。
米通商代表部(USTR)のグリア代表は声明で「米国は1世紀近くにわたり強制労働関連の輸入禁止措置を実施し、厳格に執行してきた。貿易相手国もそうすべき時期をとうに過ぎている」とし、「本日の措置は、人権侵害であると同時に市場をゆがめる貿易慣行でもあるこの問題を是正し、世界中の労働者の福祉を向上させる出発点になる」と述べた。
グリア氏はこれまで、米関税率の上限を定める通商合意に達した国については、新たな強制労働関税によって税率が上限を超えることはないと約束していた。これらの合意には強制労働防止条項が含まれている。
最終決定によると、10%関税の対象となるのはアルゼンチン、バングラデシュ、英国、カンボジア、カナダ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、インド、インドネシア、ヨルダン、マレーシア、メキシコ、パキスタン、スリランカ、トリニダード・トバゴ。
日本への関税率は、既存の税率が12.5%未満の場合、新たな関税率と合わせて12.5%とし、韓国、スイスにも同様の措置を取る。EUと台湾については、既存の税率と合計で10%とする。
中国を含む残る38カ国・地域には12.5%の税率を適用する。
ワシントンの法律事務所ワイリー・レインで貿易法を担当するティム・ブライトビル氏は「予想通り、強制労働関税は各種貿易合意で交渉された現在の関税水準をほぼそのまま踏襲し、24日に失効する122条に基づく10%関税を置き換える形になった」と指摘した。
トランプ政権高官は新関税について、発動のタイミングや税率水準の近さ、米国のほぼ全ての輸入品を対象とする広範な適用範囲にもかかわらず、失効する関税を直接置き換えるものだとの見方を否定した。
高官によると、石油・ガス、肥料、一部食品のほか、自動車、鉄鋼、アルミニウム、銅などすでに通商拡大法232条に基づく関税の対象となっている製品を含む多くの品目が対象から除外される。
米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の貿易ルールに準拠する他の製品も対象外となる。
今回の最終的な関税は、6月に公表された提案をおおむね踏襲している。強制労働防止のための適切な法律を成立させた国からの輸入品には10%、禁止措置が不十分な国には12.5%の税率が適用される。
インドなど一部の国は関税が最初に提案されて以降、最近の対応や法整備により10%の税率区分に移行した。
USTRは強制労働関税に関する公聴会を経て、銑鉄、一部の砂糖製品、動物および種子製品、一部の化学品など新たな除外品目も追加した。

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