爆弾テロは宗教対立を煽るもの
カトリック教会を対象にした爆弾テロという今回の事件は当初、1月21日に実施されたフィリピン南部にイスラム自治政府を創設する「バンサモロ基本法」に基づく、地方自治体の帰属を問う住民投票との関係が指摘された。
その後「アブサヤフ」が深く犯行に関わっていたことや、「アブサヤフ」も関係するとされる中東のテロ組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出していることなどから「住民投票とは直接関係ないテロ事件」との見方も強まっている。
アニョ内務・地方自治相は「GMAニュース」に対して「今回の犯行はイスラム教とキリスト教という宗教間抗争に火をつけるものである」との見方を示している。
1月30日深夜にサンボアンガでイスラム教の宗教施設「モスク」に手榴弾が投げ込まれて2人が死亡した事件は、キリスト教側によるイスラム教施設への報復との見方で一致しているが、犯行動機や容疑者は判然としておらず、報復と断定するのは尚早との意見もでている。
スールー州などの治安維持を担当するフィリピン陸軍101旅団のアリエル・ファリシダリオ准将は地元テレビ局に対して「今回の自爆テロ事件は治安上の過失で起きたものではない。自爆テロなどは100%阻止できるものではない」との見方を示す一方で、「ホロ市内にまだ別の爆弾があるとの情報もあり、軍や治安当局は依然としてホロ市内で厳戒態勢を続けている」として新たなテロへの警戒を続けていることを明らかにした。
ドゥテルテ政権はイスラム教徒との共存共栄、イスラム教過激組織との和平構築を目指して「バンサモロ基本法」に基づく住民投票の実施にようやく今回漕ぎつけた。
しかし爆弾テロで「アブサヤフ」による宗教紛争が発火したことで、新たな社会不安と南部地域での治安悪化が今後さらに懸念される事態になり、厳しい政権運営と治安対策に追い込まれたといえる。

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