[ロンドン 20日 ロイター] - 英国のバーナム新首相は20日、財務相にスターマー前政権で国防相を務めたヒーリー氏を任命した。ヒーリー氏は数週間前、国防費の不足を痛烈に批判して国防相を辞任していた。

ヒーリー氏は今後、バーナム氏の財政ルール順守の公約を果たしながら、国防など重点分野への投資に充てる資金を確保しつつ、低迷する経済を加速させ、社会保障費を削減することが求められる。

労働党議員はこの人事を歓迎し、英国が国防への資金拠出に真剣に取り組んでいることをトランプ米大統領や北大西洋条約機構(NATO)に示すシグナルになると評価。他党の一部議員はバーナム氏とヒーリー氏に対し、同分野への投資に特化して借り入れを増やすための「国防債」の検討を促した。

ヒーリー氏は財務相ポストの有力候補とはみられていなかった。ただ、2002年から07年までブラウン財務相(当時)の下で財務省の要職を務めたことなどから、投資家やアナリスト、議員は手堅い人選と歓迎した。

今回の人事に詳しい関係者によると、ヒーリー氏とバーナム氏は経済の安定維持の必要性や、全国的な権限委譲、生活費の支援、英国の産業基盤の強化を通じて成長を推進する必要性について、同様の見解を持っている。

ヒーリー氏は今月初め、BBCに対し、国防投資が国の再活性化と再工業化の一環になり得るとの見方を示していた。

キルター・シェビオットの債券調査責任者リチャード・カーター氏は「ヒーリー氏は財務省での経験を持ち、バーナム氏が財政状況を揺るがしかねない大幅な変更を推し進めるのではなく、債券市場を過激主義への抑制役として尊重することを示すシグナルだ」と述べた。

ヒーリー氏と仕事をした経験のある政府当局者の一人は、同氏をイデオロギー主義者ではなく、有能で現実的な政治家だと評した。

ヒーリー氏はまた、かつて地方自治相も務めており、これはバーナム氏の政策課題の中核をなす分野だ。同氏はより多くの財源と課税権限を中央政府から地方の指導者に移譲すべきだと主張してきた。

バーナム氏はこのほか、外相にエド・ミリバンド氏を任命した。マフムード内相は留任する。

ビジネス相にはジョナサン・レイノルズ氏を、住宅相にはアンジェラ・レイナー氏を充てる。

レイノルズ氏は権限を拡大した「ビジネス・イノベーション・科学・貿易相」に任命された。同氏はスターマー前政権の内閣改造でビジネス相のポストをピーター・カイル氏に譲っていた。

レイナー氏は昨年、住居購入に際し税金が過少申告となっていた問題で過失を認め、住宅相と副首相、労働党副党首の職を辞任した。今年5月には、自身の税務問題を巡り、意図的な不正はなかったとする調査結果が示されたと明らかにしていた。

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