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Nupur Anand Tatiana Bautzer
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 大手銀行が、競って日々の業務に人工知能(AI)エージェントを組み込む動きを加速させている。主要な課題は、こうしたエージェントと人間の従業員との連携や顧客とのやり取りのをどのように実現するかだ。
各行は生産性の向上を目指し、ウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)から顧客審査、トレーディング、財務に至るまでの幅広い機能でAIエージェントの導入を競っている。
KPMGの米銀セクター責任者、ピーター・トレンテ氏は「我々は特に、エージェントと人間の従業員の連携について銀行と協力している」と述べた。KPMGが6月に実施した調査によると、銀行の51%がAIエージェントの試験運用を行っている。
米モルガン・スタンレーのウェルスマネジメント担当AI責任者、コーレン・マランカ氏は、同行が今夏中に、24時間いつでも顧客とやり取りができるデジタルアシスタントの試験運用を開始すると明かした。同行ではすでに、財務アドバイザーの業務の支援にエージェントを活用している。
米銀行大手BNYでは、デジタル従業員は特定のタスクが割り当てられた「チームメイト」として扱われ、デジタル従業員同士で会話をすることもできる。BNYのロビン・ビンス最高経営責任者(CEO)は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのポッドキャストで今年、デジタル従業員にはログインIDとニックネームが与えられ、人間の同僚と並んで働いていると説明した。
ビンス氏はポッドキャストで、「ペイメント・ピート」と名付けられたデジタルアシスタントには人間の上司がついており、「トレーニングを担当し、いわば人事評価や品質管理のように、実際に全てを正しく実行しているかを確認している」と明らかにした。
BNYはコメント要請に応じなかった。
スイスの金融大手UBSでは財務アドバイザーがデジタルエージェントを利用しており、エージェントは顧客の年金が満期を迎えて再投資が必要な場合など、対応が必要な事項について毎日数千件の注意喚起を行っている。
UBSのAI製品責任者、リチャード・ジェームズ氏は「(デジタルエージェントは)会議、口座、電子メールの通信から全ての内部情報を集めている」と説明した。同行によると、AIの導入により、財務アドバイザーは業務時間の70%を事務処理ではなく顧客との会話に費やせるようになった。
米ゴールドマン・サックスは今年初め、AI企業アンソロピックと提携し、トレーディングや会計、顧客審査などのタスクを行うエージェントの開発に着手した。また米JPモルガン・チェースは、エージェント型AIによる変革の機が熟している分野として企業財務などを挙げている。米シティグループはAIを搭載したウェルスマネジメントの仮想「チームメンバー」を準備中だ。
一方、投資家は、金融機関によるAI支出の投資利益率(ROI)について問い始めている。
このため、KPMGのトレンテ氏は「銀行はリターンがより明確で、規模を拡大しやすい特定のAI支出分野に焦点を当てる可能性が高い」と指摘した。
<責任の所在と監視>
他方で規制当局と銀行幹部は、AIエージェントの広範な利用に伴うリスクも注視している。銀行はAIエージェントに内部システムへのアクセスを許可する一方で、一定の安全策も設けている。
モルガン・スタンレーのマランカ氏は、常に人間が監視しており、AIエージェントがポートフォリオに関する意思決定を自律的に手がけることはないと強調した。