Tamiyuki Kihara Takaya Yamaguchi
[東京 14日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針をめぐり、関係閣僚が14日の閣議後会見で相次いで発言した。直接所管する上野賢一郎厚生労働相がGPIFの基本資産構成割合(基本ポートフォリオ)について、運用環境は策定時の想定から大きく乖離していないと説明する一方、10日の会見で国内金融資産への投資強化を追求すると表明した片山さつき財務相兼金融相は「不磨の大典ではない」と述べ、見直しの可能性を探る考えを示した。両氏ともに検討の必要性には言及したものの、スケジュールを含めた具体策には踏み込まなかった。
上野氏は運用方針に関する記者団からの質問に、「今後、必要があれば見直しの検討を進める」と述べた。その上で、足元の運用環境について、国内外の株式・債券を25%ずつとした基本ポートフォリオの想定から「大きく乖離しているとは考えていない」と指摘。GPIFの運用は「長期的な観点から、市場その他の民間活動に与える影響に留意しつつ行うこととしている」と付け加えた。
不動産や未公開株などへのオルタナティブ投資を念頭に「国内プライベートエクイティをはじめとする国内案件について、着実に投資を積み上げることも通じて、国内経済の成長にも寄与していく」とも語った。
一方、片山氏は高市早苗政権が推し進める「成長戦略」に言及。政策の遂行によって日本円資産が有利になるとし、必要であれば運用方針の修正が行われる可能性があるとの認識を示した。ただ、「基本的にはGPIFのルールや厚労省のお考えもある」と説明。当事者間で修正の必要性や可否について相談を続けると語った。
また、記者団からGPIFなどの年金基金に触れた一連の発信が昨年9月の日米財務相共同声明と整合するのか問われると、「声明については全く変更はない。日米は相変わらず非常に緊密に話をしている」と強調した。
片山氏は10日の会見で、「GPIFをはじめとする年金基金に、日本の金融資産にさらなる投資をしていただく後押しをする方策を追求したい」と発言。市場は国内債券などへの投資拡大を意識し、即座に円高・債券高で反応した。
(山口貴也、鬼原民幸 編集:久保信博)