ブーイングは予定どおり前半22分に始まった。

気温35度のダラスで行われたイングランド対クロアチア戦。イングランドが4対2で勝った試合で、FIFAで初めて義務化されたハイドレーション・ブレイク(給水タイム)のために主審が試合を止めると、観客の不満と嘲りがスタジアムに響き渡った。

一見するとファンには一理ある。サッカーは本来このように試合が中断される競技ではない。伝統的ファンはそのやぼさを批判する点では正しい。しかし認めたくないだろうが、FIFAはサッカーをより面白くしたかもしれない。

イラクは給水タイム前までノルウェーと0-0だったが、その後は4-1で敗れた。ドイツはキュラソーに追い付かれたものの、中断後に立て直して7-1で快勝した。イングランド対クロアチア戦も、何度も中断を挟みながら6ゴールが生まれた。

7月11日時点で、大会は98試合で計285ゴールを記録。1試合平均2.91得点という見応えのある数字だ。給水が得点を生むわけではないが、猛暑でも選手がプレーを続けやすくなり、再開後も速いテンポが維持されている。

給水タイムのブーイングは、徐々に静まり返っていくかもしれない。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 最強AIを生んだ アンソロピックの衝撃
2026年7月21日号(7月14日発売)は「最強AIを生んだ アンソロピックの衝撃」特集。

ペンタゴンが狙う世界最強AIクロード・ミュトス。「生みの親」アンソロピックは人類の守護者か、破壊者か

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます