Helen Reid

[香港/ロンドン 10日 ロイター] - 中国発の格安衣料通販大手「SHEIN(シーイン)」は10日、香港での新規株式公開(IPO)の承認を得た。中国証券監督管理委員会(証監会)のウェブサイトに通知が掲載された。

投資家心理の低迷や低中所得層の支出低迷により、多くの消費財ブランドがIPOを延期する中、上場すればここ数年で最も注目される小売企業のIPOとなる。関係者によると、SHEINは今回のIPOで400億─500億ドルの企業価値評価を得たいもようだ。これまでに英国や米国で上場を目指していたが、実現していなかった。

香港でのIPOは非公開で申請された。承認により、ロードショー(投資家説明会)を準備し、香港証券取引所の審査に備えることができる。

関係者は承認には中国共産党の最高指導部レベルの了解が必要で、承認までに1年を要したと指摘。フランスでの成人用玩具などへの反発や中国の供給工場での劣悪な労働慣行を巡る報道を受けて、中国当局は政治的に敏感な企業と見なしているという。

上場時期は9月か10月を目指す可能性があるという。

SHEINの出資者には、ブルックフィールド、クラウレ・グループ、D1キャピタル、ジェネラル・アトランティック、HSG(旧セコイア・キャピタル・チャイナ)、リライアンス、ソフトバンク、アブダビ政府系ファンドのムバダラ・インベストメント、サウジアラビア政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が含まれる。

SHEINの広報担当者はコメントを控えた。

フランスの規制当局は消費者データの利用などを巡ってSHEINに罰金を科した。欧州連合(EU)欧州委員会は今年2月、違法製品の販売を巡って調査を開始している。

SHEINは2012年に中国・南京で設立。22年に本社をシンガポールに移した。企業価値は22年、最大1000億ドルと評価された。その後、新型コロナウイルス禍で盛り上がった通販ブームが下火となったほか、議員らや競合企業、規制当局から反発や懸念が相次ぎ、23年5月の資金調達ラウンドでは評価額が660億ドルに低下していた。

SHEINは23年11月に米国でIPOを申請したが、手続きは停滞。その後、英国での上場も事実上阻まれていた。

証監会はこれまで1年間に180件超のIPOを承認している。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。