Howard Schneider

[ワシントン 9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォーシュ議長は、FRBの業務見直しに向けた5つのタスクフォース(作業部会)の人選で、幅広い分野の有識者や元中銀関係者を起用した。

ウォーシュ氏は、FRB議長として初めて臨んだ6月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、これらの作業部会の設置を発表していた。業務見直しの対象はバランスシート(保有資産)管理といった技術的な問題から、人工知能(AI)の影響など先進的な問題まで及ぶ。

FRBは9日、これらの作業部会を率いる15人を発表した。声明で、作業部会はFRBスタッフの支援を受けるものの、「証拠に基づいて行動し、率直なフィードバックを提供し、FOMCのために厳密な調査結果をまとめるという責務を負い、独立して運営される」とした。

作業部会には、政策的立場の異なる幅広い人材が集まった。代替データやリアルタイムデータを活用して家計や地域社会の状況を分析する先駆者であるハーバード大経済学教授のラジ・チェティ氏はデータに関する部会を率いる。著名投資家マーク・アンドリーセン氏は生産性と雇用に関する部会を率いる3人のうちの1人となる。マンキュー元大統領経済諮問委員会(CEA)委員長はインフレに関する部会の共同リーダーとなる。

このほか、イングランド銀行(英中銀)のキング元総裁、ラジャン元インド中銀総裁、フラガ元ブラジル中銀総裁も含まれる。ノーベル経済学賞受賞者で現在はニューヨーク大経済学教授のトーマス・サージェント氏も名を連ね、インフレに関する部会に加わる。

ウォーシュ氏は声明で、「米経済はこの一世代で大きく変化し、今ほどその変化が著しい時はない。各作業部会は、政策担当者の手段や手法、分析ツール、政策アプローチが改善できるかどうかを慎重に検討する」と表明。「目標は明確だ。この重要な時期にFRBが目的を達成する上で最善の態勢を整えられるようにすることだ」と述べた。

FRBは作業部会の進め方や作業日程について詳細を明らかにしなかったが、ウォーシュ氏は初の記者会見で年内に提言を受け取りたい意向を示していた。

ウォーシュ氏は2006年から11年までFRB理事を務め、退任後はFRBの金融政策運営や、数兆ドル規模に膨らんだ大規模なバランスシートの維持に対する批判を強めてきた。より最近ではトランプ大統領によるFRB議長への指名に先立ち、FRBの意思決定を経済動向とより同期させるための最先端の「リアルタイム」データの活用や、AIが生産性と雇用に及ぼし得る影響など、他の重点領域も挙げていた。

データ、インフレ、生産性のほか、残り2つの作業部会はFRBの情報発信とバランスシート管理について検討する。

これら5つの重要分野の見直しを外部専門家、ウォーシュ氏の言葉を借りれば「幅広い分野の最良の頭脳」に委ねることで、内部の分析や議論に比重を置いてきた近年のFRBの見直しとは異なる進め方となる。

ただ、今回の発表は、作業部会の作業があくまで提言の出発点にすぎず、最も重要な提言はウォーシュ氏の同僚らの承認を必要とする可能性が高いことも認めている。

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